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2024年10月1日【新型車】

リープモーター、手頃で高品質なZEV受注を欧州でも開始

坂上 賢治

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ステランティス( STELLANTIS,N.V. )とリープモーター( Zhejiang Leapmotor Technology Co., Ltd / 浙江零跑科技股份有限公司 )の協業によって誕生した合弁会社リープモーターインターナショナル( Leapmotor International B.V. /  NL 2132 LS Hoofddorp 451 Wulianwang Street Binjiang District )は9月30日( オランダ・アムステルダム発 )、2台の自社製EVの欧州当地に於ける販売受注を開始した。

 

販売受注は、欧州全域でステランティスが指定する自動車ディーラーを介して注文を受け付け、当地の消費者に向けて、クリーンで手頃な移動手段を今年後半から納車していく構えだ。

 

ちなみに上記ステランティス傘下の販社から、中国製の新エネルギー車( ZEV )の販売受注を開始すること自体、ステランティス51%・リープモーター49%からなる合弁会社リープモーター インターナショナルにとっては、画期的な出来事だという。今後、両社は中国本土以外で、コスト効率性の高い中国製NEVの世界的な販売網構築に注力していく。

 

 

なお、ここに至るまでの道程は2023年10月26日、ステランティスが15億ユーロ( 当時のおおよそ2380億円 )を投資してリープモーター株の約21%を買収した上で、合弁会社を設立して以後、わずか1年足らずで実現している。

 

そんな2社による協業体制についてステランティスでCEOを務めるカルロス タバレス氏は、「自動車業界に於いても前代未聞だったこのユニークな電撃提携により、欧州の販社は世界でも最先端を走るBEVを取り扱えるようになりました。また今後、欧州ではステランティスの組織力によって手厚い販売・サービス体制が確立します。

 

リープモーター車のお客様は、我々のサプライチェーンを介して、通常ルートを介した中国車の購入では、決して得られないレベルのアフターサービスを受けることができるのです。

 

今後もステランティスとリープモーターは、共に密接な提携関係を築き続け、欧州のお客様へこれまでの欧州ブランド車の購入と同じサービス価値を提供。同体制を長期的に亘って続けていくことを目指しています」と述べた。

 

 

またリープモーターの創設者で会長兼CEOのZhu Jiangming( 朱江明 )氏は、「リープモーターは中国当地に於いても、卓越した研究開発力と垂直統合による生産効率に特化した技術重視のベンチャー企業です。

 

そんな当社は、世界規模でステランティスと協力関係を構築し、お客様がどのような国にお住まいでも、等しく高品質の電動モビリティソリューションを提供できることを目指しています」とそのクルマづくりへの拘りとサービス提供に賭ける想いを語った。

 

 

なおこれらリープモーター車は、欧州に於ける他の中国ブランド車をターゲット( 競合 )に据えて販売され、ステランティスの車両ポートフォリオを補完させていく形で拡充を図る構え。

 

また当初、同ブランド車は、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、スイス、英国での販売が始まる。

 

具体的な販売車両は2台。まずT03は265kmの航続距離 (WLTP) とBセグメントの室内スペースを備えた5ドアのAセグメントコンパクトカーとなる。このT03は現在18,900ユーロから販売される。

 

 

もう1台のC10 SUVは420​​kmの航続距離 (WLTP)、クラス最高の安全性、インテリジェントなユーザー エクスペリエンス、プレミアム レベルの快適性を備えたDセグメント SUV となる。

 

このスマートコックピットを備えたC10は、LEAP3.0アーキテクチャを採用し、36,400ユーロからの価格帯で10月には主要なディーラー網に到着する予定としている。またリープモーター インターナショナルは今後3年間に亘り、順次毎年新車を投入・発売していく予定だ。

 

 

更に上記2台は、今季の第4四半期から中東およびアフリカ( イスラエルおよび海外フランス領 )、アジア太平洋( オーストラリア、ニュージーランド、タイ、マレーシア、ネパール )、南米( ブラジルおよびチリ )への販売拡大も計画中だ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。