ステランティス( STELLANTIS,N.V. )とリープモーター( Zhejiang Leapmotor Technology Co., Ltd / 浙江零跑科技股份有限公司 )の協業によって誕生した合弁会社リープモーターインターナショナル( Leapmotor International B.V. / NL 2132 LS Hoofddorp 451 Wulianwang Street Binjiang District )は9月30日( オランダ・アムステルダム発 )、2台の自社製EVの欧州当地に於ける販売受注を開始した。
販売受注は、欧州全域でステランティスが指定する自動車ディーラーを介して注文を受け付け、当地の消費者に向けて、クリーンで手頃な移動手段を今年後半から納車していく構えだ。
ちなみに上記ステランティス傘下の販社から、中国製の新エネルギー車( ZEV )の販売受注を開始すること自体、ステランティス51%・リープモーター49%からなる合弁会社リープモーター インターナショナルにとっては、画期的な出来事だという。今後、両社は中国本土以外で、コスト効率性の高い中国製NEVの世界的な販売網構築に注力していく。
なお、ここに至るまでの道程は2023年10月26日、ステランティスが15億ユーロ( 当時のおおよそ2380億円 )を投資してリープモーター株の約21%を買収した上で、合弁会社を設立して以後、わずか1年足らずで実現している。
そんな2社による協業体制についてステランティスでCEOを務めるカルロス タバレス氏は、「自動車業界に於いても前代未聞だったこのユニークな電撃提携により、欧州の販社は世界でも最先端を走るBEVを取り扱えるようになりました。また今後、欧州ではステランティスの組織力によって手厚い販売・サービス体制が確立します。
リープモーター車のお客様は、我々のサプライチェーンを介して、通常ルートを介した中国車の購入では、決して得られないレベルのアフターサービスを受けることができるのです。
今後もステランティスとリープモーターは、共に密接な提携関係を築き続け、欧州のお客様へこれまでの欧州ブランド車の購入と同じサービス価値を提供。同体制を長期的に亘って続けていくことを目指しています」と述べた。
またリープモーターの創設者で会長兼CEOのZhu Jiangming( 朱江明 )氏は、「リープモーターは中国当地に於いても、卓越した研究開発力と垂直統合による生産効率に特化した技術重視のベンチャー企業です。
そんな当社は、世界規模でステランティスと協力関係を構築し、お客様がどのような国にお住まいでも、等しく高品質の電動モビリティソリューションを提供できることを目指しています」とそのクルマづくりへの拘りとサービス提供に賭ける想いを語った。
なおこれらリープモーター車は、欧州に於ける他の中国ブランド車をターゲット( 競合 )に据えて販売され、ステランティスの車両ポートフォリオを補完させていく形で拡充を図る構え。
また当初、同ブランド車は、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、スイス、英国での販売が始まる。
具体的な販売車両は2台。まずT03は265kmの航続距離 (WLTP) とBセグメントの室内スペースを備えた5ドアのAセグメントコンパクトカーとなる。このT03は現在18,900ユーロから販売される。
もう1台のC10 SUVは420kmの航続距離 (WLTP)、クラス最高の安全性、インテリジェントなユーザー エクスペリエンス、プレミアム レベルの快適性を備えたDセグメント SUV となる。
このスマートコックピットを備えたC10は、LEAP3.0アーキテクチャを採用し、36,400ユーロからの価格帯で10月には主要なディーラー網に到着する予定としている。またリープモーター インターナショナルは今後3年間に亘り、順次毎年新車を投入・発売していく予定だ。
更に上記2台は、今季の第4四半期から中東およびアフリカ( イスラエルおよび海外フランス領 )、アジア太平洋( オーストラリア、ニュージーランド、タイ、マレーシア、ネパール )、南米( ブラジルおよびチリ )への販売拡大も計画中だ。