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2024年5月28日【新型車】

ランチア、新型イプシロンの車種ラインナップを発表

坂上 賢治

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ステランティス傘下のランチア( LANCIA / ブランドCEO:ルカ・ナポリターノ )は5月27日( 欧州発 )、自社ブランドのミドルセグメントを受け持ち、イタリアン エレガンスの世界へのエントリー ステップとなる新型ランチア イプシロン( NUOVA LANCIA YPSILON )の欧州地域に於ける車種ラインナップを発表した。

 

 

仕様としては若年層をターゲットとしてスタンダードモデルのイプシロン( YPSILON )、車載装備を充実させたイプシロンLX( YPSILON LX )、カッシーナと共にインテリアの快適性に取り組んだイプシロン エディツィオーネ・カッシーナ( YPSILON EDIZIONE CASSINA )の3つとなる。パワーユニットは、ピュアBEVとマイルド ハイブリッド バージョンの2つ。

 

BEVに対する市街地を中核とした充電環境は、フリーツームーブチャージ( Free2move Charge )がサポート。道路上または外出先には欧州全域でシンプルな充電ソリューションが用意される。

 

新型ランチア イプシロンはベルギー、ルクセンブルク、オランダで発売され、その後スペイン、フランス、そして2025年にはドイツでも発売される。そのために欧州の主要70都市に70を超える新ディーラーネットワークが構築される予定だ。また、それ以降は、自社の新車投入戦略計画に沿って、ガンマを2026年に、デルタが2028年に投入される。

 

 

ランチアのブランドCEOを務めるルカ・ナポリターノ氏は、新型イプシロンの車種ラインナップの披露に際して、「新型イプシロンは、市街地では機敏に、郊外ではランチアならではの爽快なステアリングレスポンスが愉しめるクルマです。

 

我々は、このクルマを高次元に仕立て上げるため、電動モーター並びにハイブリッド エンジンの双方のパワーユニットに適合する理想的なコモン モジュラー プラットフォーム (CMP) に取り組みました。その際の開発ポイントは、車内環境の快適さ、空間音質、製造品質、どんな場面でもドライビングが楽しめることの4つです。

 

車内環境の快適さでは、走行速度や路面状況を問わず、常にリラックスできるよう特別な防音パッケージを開発しました。例えばドアが閉まる際の音質を改善させるべく、ドアハンドルのデザインにも拘り、ボディに波及する反響音にも配慮。防音材の選択に気遣い、ボディーとドアの噛み合わせの精度を高める等の工夫で車室内の静粛性を高めています。

 

製造品質に関しては、製造スタッフのトレーニング、専用機器の導入、生産ライン自体の改善にも再投資。 ドライビング特性の向上については、車体に係る重量配分とハンドリングを改善するべくベースシャシー比でトレッドを24mm拡大。操舵機構もクラスレスの運転精度を求めて改善を繰り返しました。

 

 

また新型イプシロンでは、ドライバー並びに乗員が常に自宅にいるような印象を提供するべく、「リビングルーム( イタリア語でSALA )」をキーワードに徹底的に車室内の造り込みに拘りました。

 

この「リビングルーム」のコンセプトは徹底されており、更にこのSALAには、オーディオ、空調制御、照明機能を統合したインテリジェント インフォテインメント システムを示すSound Air Light Augmentationの意味合いも込められています。

 

インストメントパネルには、操作を容易にする180度の視野を持つカメラと前後のセンサー、デュアル スクリーン、このカテゴリで最大のディスプレイ (対角 20.5 インチ)、画面レイアウトをカスタマイズできる10.25インチのデジタル計器パネルが備えられています。

 

インフォテインメントシステムは、車とドライバーの繋がりを向上させるバーチャルアシスタントのSALA HUBによって補完され、次世代の運転体験を愉しんで頂くためレベル2の自動運転機能も標準搭載しました。

 

同機能はアダプティブクルーズコントロールとレーンセンタリングの併用で巡航速度と軌道を自動的に調整。時速30〜150kmで起動できるレベル2の自動運転にはストップ&ゴー機能付きの渋滞アシストが含まれており、渋滞に巻き込まれたときに車を自動的に再スタートさせられるなど快適なドライブが実現します。

 

車載オーディオはランチア在籍の専任サウンド デザイナーによってチューニングされ、エアコンには有害粒子を最大99%除去できる高効率フィルターを搭載したことで快適な車内空間が実現しました。また車内照明では、独自のアンビエント照明機能を介してお好みの車室空間が演出できます。その際、乗員は室内の操作パネルのボタンに軽くタッチするだけす。

 

 

パワーユニットでは、156馬力/115kWモーターと51kWhのバッテリーを搭載。WLTP複合サイクルの航続距離で最大403km。100kmあたりの電力消費は14.3~14.6kWhとなり、市街地では500km以上走行でき、急速充電は24分で20%から80%までチャージでき、かつ10分間の充電で100km走行できます。

 

MHEVバージョンでは、排気量1.2L、3気筒、100馬力(74kW)エンジンと48Vマイルドハイブリッドテクノロジーを搭載。最高速度190km/h、0から100まで9秒で加速すると同時に、WLTPサイクルで103〜104g/kmの低排出量を記録しており、航続距離の25%を電動で走行することができます。

 

変速機には6速e-DCTオートマチックトランスミッションが装備され、e-Start、e-Parking、e-Queuing、e-Creepingなどの電子機能のサポートにより、ドライバーは自分の運転スタイルに合わせることができます」と述べている。

 

NEW LANCIA YPSILON BEV
Length:4,08 m
Width:1,76 m
Height]1,44 m
Weight:1.584 kg
Technology:BEV
Segment:Hatchback in segment B Premium
Power unit:Full electric 115 kW/156 cv
Recharging time:DC: 24 minuti (dal 20% all’80%)
Energy Consumption(kWh/100 km):
YPSILON 14,3, YPSILON LX / CASSINA 14,5, LX full opt 14,6km
Autonomy:
YPSILON 403km, YPSILON LX 398km, CASSINA 397km, LX full opt 394km
Electric motor torque:260 Nm
Trunk capacity:309 L

 

NEW LANCIA YPSILON MHEV
Length:4,08 m
Width:1,76 m
Height:1,44 m
Weight:1.282 kg
Technology:MHEV
Engine Output:74 kW/100 cv
CO2:103g/km*
Top Speed:190 km/h
0 – 100 km/h:9.3”
Fuel Consumption:4,6 l/100 km
Fuel Tank Capacity:44 L
Trunk capacity:352 L

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。