九州電力 と芙蓉総合リース は5月23日、電気バスのサブスクリプション(以下、サブスク)サービス「九電でんきバスサービス」を、鹿児島県知名町(沖永良部島)と長期契約を締結。同町が経営する「おきえらぶフローラルホテル」の送迎バスに採用されたことを発表した。
両社ではこれまで、カーボンニュートラルの実現に向けた取組みの一環として、電気バスを活用した自治体や民間企業向けソリューションサービスの事業化準備を推進。「九電でんきバスサービス」は、その第一号案件となる。
このサービスは、各種送迎バスやスクールバス、コミュニティバスなどを保有・運行している自治体や民間企業等に対し、電気バスや充放電器などの設備に加えて、導入コンサルティングやエネルギーマネジメントなどのソリューションをパッケージ化し、定額料金で提供するサブスクサービス。両社は、地域の再生可能エネルギーを活用したCO2フリー電気での運行や、電気バスを停電時の非常用電源として活用した地域の防災拠点づくりなど、電気バスを多目的に活用するための様々なサービスを提供することで、顧客の経済性や環境価値をより高めることを目指すとしている。
「九電でんきバスサービス」事業コンセプト。
知名町は、同島の和泊町と共に、2022年4月に環境省の脱炭素先行地域に選定されるなど、「ゼロカーボンアイランドおきのえらぶ」として様々な事業を展開。今回、経営する「おきえらぶフローラルホテル」の送迎バスを導入するに当たって、九州電力と「九電でんきバスサービス」の長期契約を締結した。
<おきえらぶフローラルホテル導入のサービス概要>
・サービス対象:ホテル~沖永良部空港、ホテル~和泊港の旅客送迎用バス(1日凡そ3往復、走行距離120㎞/日)。
・主な導入設備:小型コミュニティ電気バス1台、壁掛け式急速充電器(30kW)1台、通信制御装置 等。
・主な付帯サービス:車両・充電設備メンテナンス、充電マネジメント(EMS)、再エネ電力供給(当面は再エネ証書にて対応)。
・サービス実施体制(※):九州電力株式会社、芙蓉総合リース株式会社/芙蓉オートリース株式会社、九電テクノシステムズ株式会社、株式会社EVモーターズ・ジャパン。
※5社によるモデル事業として実施(2023年9月業務協定締結)。
・導入車両:EVモーターズ・ジャパン製EVコミュニティバス
全長:6.99m
乗車定員:29名(立席含む)
バッテリー:114kWh
航続距離:290km
※ 仕様・スペックはメーカーカタログ値。航続距離は定速 40km/h、負荷重 65%、エアコンOFF。
九州電力と芙蓉リースは、今後も、九電グループが保有するエネルギーサービスや充放電マネジメント等の知見と、芙蓉リースグループが強みとするモビリティ物流分野のリース・ファイナンス等に関する知見を掛け合わせることで、あらゆる地域における自治体や民間企業等の運輸・交通部門の電化推進などを通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献していくとしている。