トヨタ自動車傘下のKINTO(キント)は9月8日、クルマのサブスクリプション・サービス「KINTO ONE」で契約するクルマに対して、契約者を含む仲間同士でシェアするための新機能「わりかんKINTO」を提案。これをサポートアプリとして提供し始めた。
今回、追加アプリの利用ベースとなったKINTO ONEは、自動車保険や自動車税などが諸経費込みとなる月額制のクルマのサブスクリプション・サービスだ。トヨタ陣営としては、この〝わりかんKINTOアプリ〟の追加により、KINTO ONEの契約者とその家族。または仲間同士で1台のクルマを共有、その利用費をシェアする新たなクルマの使い方を想定しているようだ。
それは必ずしも日常で乗るパーソナルカーばかりではなく、〝ハレの日に乗るスポーツ色の強いクルマ〟や、アウトドアライフを愉しむための〝SUV〟など、あえて2台目のクルマを契約し、それを仲間で利用し合うという持ち合いも選択肢のひとつに入るかも知れない。一方で、都市部に住む若年ユーザーが毎日使う訳ではないベーシックカーを、複数の仲間と効率良く使うというスタイルもあるだろう。
いずれにしても〝顔が見える個人間カーシェア〟として安心して利用できる事が最も大きな特徴であり、「仲間と共同利用してKINTOの月額の負担を抑えたい」「KINTOで契約するクルマをもっと有効活用したい」といった様々にニーズに応える構えだ。ちなみにこれまでトヨタ自動車では、社長の豊田章男氏自らが、ことさら〝愛車〟に拘ってきたゆえに同サービスの追加は、なかなかの〝攻めた〟新サービスだと言える。
より具体的な利用方法は、KINTO ONE契約者がオーナーとなり、共同利用する仲間のメールアドレスをアプリに登録して招待。招待を受けた仲間は自身の名前を登録することで利用可能となる。招待は10名まで。
なお、KINTOに付帯される自動車保険は、契約者がクルマの使用を認めた人にも適用となり、運転する間の事故も補償され、共同利用する仲間の保険手続きは不要となる。またこの追加アプリを利用する事により、仲間同士でスケジュール管理やチャットが出来る他、「利用時間」、「利用割合」、「均等分割」、「走行距離」のパターンから月額利用料のわりかん方法を選択することも出来る。
さて実のところ、今日に於いてクルマを持ち・利用するために〝サブスク〟を検討する割合はまだまだ低く全体の5%すら下回る(J.D.パワー調べ )。その一方でカーユーザーの過半がサブスク自体はシッカリ認知している。そうした中、サブスクというサービス自体が、若年層を含む未来の自動車ユーザー予備軍に果たして受け入れられていくのか。その可能性を探る大事な試金石としての役割が「わりかんKINTO」にはありそうだ。