KDDI (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:髙橋 誠)と国際自動車(本社:東京都港区、代表取締役社長:西川 洋志)、そして未来シェア (本社:北海道函館市、代表取締役:松舘 渉)の3社は7月13日から8月7日までの期間、通勤時の3密回避を実現する「オンデマンド相乗り通勤タクシーサービス」の実証実験を実施する。(坂上 賢治)
この実証を行う理由には、東京圏での都市鉄道の混雑率は199%が背景にある(2019年7月18日 国土交通省調べ、同日報道発表済 )。新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、混雑した電車に乗り出勤・出社する社員は不特定多数の乗客と接触した通勤となり満員電車による通勤は大きな負担となっている。
仮にオンデマンド相乗り通勤タクシーのようなサービスが利用できるようになると、混雑した電車への乗車を回避し、着座して快適に移動することが可能になる。また万が一社員の新型コロナウイルス感染症の発症が発覚した場合には、出・退勤の移動データを元に濃厚接触者を特定・隔離し、感染拡大を阻止することも可能だ。
そこで実証実験ではKDDI社員を対象に、〝公共交通機関の混雑を避ける〟〝3密を避けた特定少人数での移動〟〝渋滞回避による通勤に掛かる所要時間〟〝相乗りに対するユーザーの受容性〟などを検証。この蓄積したデータを活用して本格的なサービス化に向けた検討を進め、オンデマンドサービスの創出やMaaSサービス拡大を目指す。
実証の概要は、出勤は前日の夜までに。退勤は当日の昼までにアプリを通して希望の乗降場所・乗降時刻(自宅や職場周辺のコンビニなどのスポットから選択)を指定し、オンデマンドタクシー配車を予約。
予約締め切り後に相乗りマッチング計算を行い運行ルートを確定。その後、予約確定情報が利用者に通知され配車手続が完了する。利用当日には、予約した乗車時刻までに乗車場所に向かってタクシーに乗車。タクシーは利用者を複数人ピックアップしながら、目的地周辺まで送迎するという流れだ。
対象車両
実施期間は7月13日から8月7日までの約1カ月間 (平日のみ運行)。対象者はKDDI社員約2,000名 (延べ人数)。実施エリアは都内 (一部エリア)で飯田橋・新宿・虎ノ門エリアのKDDI事業所までの区間。利用車両はミニバンタクシー10台程度を想定しているという。
飛沫防止ビニールカーテン
なお車両には、保健所指導のもと送迎後のアルコール消毒、ドライバーと乗客の事前検温、マスク着用、運転席と客席を仕切る飛沫防止ビニールカーテンの設置などを徹底させ、密集(少人数での移動/)、密接(ソーシャルディスタンスを意識した座席設定 /)、密閉(常時の換気実施/)などの3密対応を施す。参加各社の役割は「KDDIがサービス設計、運行の全体統括」、「国際自動車がタクシー運行」「未来シェアが相乗り配車システムの提供」となっている。