川崎重工は4月21日、京都大学医学部附属病院およびシスメックスと共同で、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を目的とした大規模全自動PCRロボットコンテナの社会実装に向けた有用性評価(以下、共同研究)」を開始すると発表した。
共同研究では、川崎重工、シスメックスおよびメディカロイドが開発した、川崎重工製ロボットによる自動PCR検査システム(以下、システム)の性能評価、臨床的有効性評価を行うとともに、被検者もしくは被検者の検査を管理する検査機関による検査依頼から、検査結果の報告、フォローアップまでを含めた大規模PCR検査業務設計(以下、PCR検査社会実装)の評価を行い、京都の地域医療と感染対策の強化、国家の感染対策と経済・社会活動の両立に必要なPCR検査の社会実装有用性を評価する。
共同研究で使用するシステムは、コンテナを用いた移動式で、1日あたり最大2,500検体の検査をロボットにより完全自動化できるほか、随時検体投入後約80分で迅速に検査を行う能力を有している。また、プール法での大量検査にも対応可能だ。ロボットによる無人化/自動化により、大量の検査を高精度に安定して行えるとともに、医師/医療従事者の負担を軽減。遠隔監視により安全性を確保しつつ運用を簡易化/省人化する。
今後、共同研究の検証結果をもとに、COVID-19の臨床検査、クラスター発生地、感染ハイリスク者のスクリーニング、疫学調査、空港検疫や大規模イベント等への迅速な大量検査体制の提供や、感染対策と社会活動の両立が期待されている。
■自動PCR検査システム概要
– 外寸:長さ12.2m 幅2.5m 高さ2.9m (システム本体)
– 検査能力:1日最大2,500検体(16時間稼働の場合)
■体制
– 研究代表者
京都大学医学部附属病院検査部・感染制御部 教授 長尾美紀
京都大学医学部附属病院クリニカルバイオリソースセンター 特任病院教授 田澤裕光
– 研究分担者
京都大学医学部附属病院検査部・感染制御部 准教授 松村康史
京都大学医学部附属病院検査部・感染制御部 講師 山本正樹
– 共同研究先
川崎重工業株式会社(東京都港区海岸1丁目14番5号)
シスメックス株式会社(兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5番1号)