ジェイテクトは1月21日、同社の第2世代内製MCUを搭載した電動パワーステアリング(以下、EPS)が、日産自動車の新型「ローグ」(10月下旬より北米で販売開始)に採用されたことを発表した。
ジェイテクトは、「MCUシステムを自社開発することで、お客様のニーズにスピーディでフレキシブルに対応することが可能となり、主力製品であるEPSの性能を最大限に発揮することが可能となっている。今後、より機能安全性能を高め、自動運転にも対応する製品を世界各国の自動車メーカーへ提案を進めて参ります。」とコメントしている。
EPSおよび内製MCUの3Dイメージ
1.開発背景
ユーザーの需要が多種多様となり、また、自動運転や安全装備の拡充など、自動車の新車開発競争は年々激化し、車両によりその特徴が大きく異なってきている。その影響は、各種自動車部品にも及び、自動車メーカーのニーズにスピーディかつフレキシブルな対応が求められている。そのような中でジェイテクトは、主力製品であるEPSにおいて、主要部品であるMCUを新たに自社開発し、自動車メーカーのニーズに応える体制を整えてきた。
2.開発品の特徴
新世代ステアリング制御JWILLの採用
従来制御に換えて、新開発のステアリング制御JWILL※を採用した。緻密なチューニングにより、幅広い顧客の操舵感への拘りに応えることが可能となった。
※JWILL:操舵感向上のためトルクフィードバック機能を取り入れた新世代のEPS制御
モデルベース開発、AUTOSAR対応などに基づく新たな組み込みソフトウェアを採用
自動車業界の標準化として採用が広まって来ている、モデルベース開発、AUTOSAR対応に基づいた組み込みソフトウェアを第2世代MCUより採用。昨年からソフトウェア開発の拠点となった東刈谷事業場を軸に、ジェイテクトIT開発センター秋田と連携したソフトウェア開発を行っている。
3.今後の展開
今後、ADASレベル3,4の自動運転を見据え、国際規格ISO26262に準拠する機能安全性を備えたMCUを搭載するEPSの開発を進め、顧客のニーズに応じて必要な機能を有する製品を競争力ある価格で提供していく予定だという。