J.D. パワー ジャパン(以下「J.D. パワー」)は8月26日、J.D. パワー 2021年日本自動車サービス顧客満足度(Customer Service Index、略称CSI)調査℠の調査結果を発表した。
■スコアの概要
・2021年の総合満足度の業界平均スコアは722ポイント(1,000ポイント満点)。
・ファクター別の業界平均スコアは、「店舗施設・サポート」が719ポイント、「予約/入庫」が727ポイント、「サービス品質/納車」が719ポイントとなった。
・セグメント別の総合満足度スコアは、ラグジュアリーブランド平均が760ポイント、マスマーケット国産ブランド平均が720ポイント、マスマーケット輸入ブランド平均が729ポイントとなった。
■2021年調査の主なポイント
顧客のカーライフのサポートを意識した対応強化、顧客満足度向上に有効
総合満足度は2020年より8ポイント上昇しており、コロナ禍での評価の低下は見られていない。その理由として、ディーラーによる顧客対応の継続性が挙げられる。調査では顧客対応について入庫時および納車時における担当者からの説明の実施有無を聴取している。入庫時に「説明があった」(「丁寧な説明があった」「簡単な説明があった」を含む)と回答した割合は、「作業が完了するまでの所要時間・日数(95%)」「今回予定している具体的な作業の内容(93%)」等、9割以上を示しており、高い水準での説明が行われていることが確認できた。納車時においても「対応した作業の具体的な内容(96%)」「作業内容ごとの費用の明細(90%)」等、入庫時と同様に9割以上と、高い水準での説明が実施されていた。また、これらの回答割合は2020年と同水準を維持しており、コロナ禍であっても顧客対応は安定して実施されていたことがわかった。
しかし、説明について質の観点から「丁寧な説明があった」割合のみでみると、入庫時の「走行距離や使用状況に応じた整備・部品交換の提案(28%)」や、納車時の「次回の整備予定や部品交換時期などのアドバイス(29%)」といったカーライフをサポートするような顧客対応については、他の説明項目に比べて低い水準に留まっている。総合満足度との関係をみると、「丁寧な説明があった」場合は、入庫時の「走行距離や使用状況に応じた整備・部品交換の提案」が833ポイント、納車時の「次回の整備予定や部品交換時期などのアドバイスが819ポイントで、それぞれ平均を約100ポイント上回っており、丁寧な説明の実施が高い満足度へとつながっている。
コロナ禍においてディーラーを取り巻く環境に変化がみられるが、ディーラーの活動は以前と変わらず安定して行われている。しかしながら、入庫時や納車時において、作業内容や所用時間、費用の説明といった基本的な内容に加えて、車のコンディションや顧客ニーズを踏まえた具体的な提案やアドバイスを実施することの重要性も確認された。
J.D. パワー 2021年 日本自動車サービス顧客満足度調査 総合満足度ランキング
【ラグジュアリーブランド】(対象5ブランド)
第1位:レクサス(805ポイント)
「店舗施設・サポート」「予約/入庫」「サービス品質/納車」の全ファクターでセグメント中最高評価。
第2位:ボルボ(769ポイント)
【マスマーケット国産ブランド】(対象8ブランド)
第1位:ホンダ(740ポイント)
「店舗施設・サポート」「予約/入庫」「サービス品質/納車」の全ファクターでセグメント中最高評価。
第2位:日産(733ポイント)
第3位:トヨタ(726ポイント)
【マスマーケット輸入ブランド】(対象5ブランド)
第1位:MINI(745ポイント)
「予約/入庫」ファクターで、セグメント中最高評価。
第2位:フォルクスワーゲン(744ポイント)
■J.D. パワー 2021年日本自動車サービス顧客満足度調査概要℠
年に一回、新車購入後14~49ヶ月が経過した顧客を対象に、メーカー系正規販売店で直近1年間に点検や修理などのアフターサービスを利用した際の販売店対応に対する満足度を聴取し明らかにする調査。2020年で20回目の実施となる。
実施期間:2021年5月~6月
調査方法:インターネット
調査対象:新車購入後14~49ヶ月が経過し、最近1年間にメーカー正規ディーラーにサービス入庫したユーザー(18歳以上)
調査回答者数:8,720人