日本自動車輸入組合(JAIA)は1月27日、今年初めての記者会見をオンライン実施した。この壇上でJAIA・クリスチャン・ヴィードマン理事長(ビー・エム・ダブリュー代表取締役社長)は、2022年の輸入車市場の展望と、JAIAの同年活動に係る重点計画を発表した。(坂上 賢治)
まずはその展望についてヴィードマン理事長は当面、昨年来の半導体不足に伴う新車供給に係る懸念を課題のひとつに挙げた。ただ2022年後半からは、日本国内の於ける停滞基調がゆっくりと回復基調へと向かい、通年を通して見ると昨年実績からは幾らか改善するのではないかとの見通しを述べた。
ここで振り返ると昨年は、9月以降に半導体不足に伴う新車生産の落ち込み影響(2021年上期の影響は軽微だったが、後半に掛けて車新規登録台数は前年比1・4%増の25万9752台と微増に落ち着いた)などが大きかった。
しかし一方で受注の方は、「感染リスクの低い移動手段を求める消費行動」や「会員各社の新型車の積極的な投入」などがあったにも関わらず、最終的には新規登録には至らない事例が続出。結果、収支はマイナス基調を示す結果になってしまったのだと語った。
またこの実績を踏まえると、同影響は今年前半も色濃く残り、半導体不足に伴う販売車両不足は、当面拭われる事無く継続される事になるだろうとの見解を述べた。その上で昨年同様、消費マインドの上昇は続いている事。それに応える生産拡大もゆっくりと上向いていくであろう事を踏まえ、通年での2022年の実績は上向くだろうとの見通しを示した。
その理由として今年は、会員各社がSUVなどの新型車や限定車の投入を控えている事。更に電動車(2021年の電動車セグメントは、約2.7倍の8610台と大幅伸長した)に係るBEV・PHEVが拡充されていく事により、このような各社の車種ラインアップの拡充が確実に販売増に繫がっていくと話した。
なおJAIAによる2022年の取り組みについては「市場活性化させる事」「環境・エネルギー分野に注力する事」「国際的な安全基準認証(IWVTA)と日本国内環境との調和を進めていく事」「自動車公正取引・アフターセールスへの注力」「二輪車分野への取り組みの深化」の5本柱を活の軸に掲げた。
これらについて、まず市場活性化策では、昨年JAIA自らで実施した輸入電動車普及を目指すイベント活動を今年も承継していく事。加えて日本国内で充電インフラを担う企業との協力・連携を深めつつ、行政へ対して、販売店だけでなく、都市部に於ける集合場宅の近隣などに充電器を設置するための政府補助を働き掛ける方針であると述べた。
より具体的には、そうした居住密集地域での施設・設備の24時間開放を働き掛ける事。加えて出力90kW超の急速充電器設置の要件見直しなど(現行規制の緩和措置の働き掛け)を求めていくとした。なお以降、更なる詳報は改めて弊誌・当Webサイト上で追ってお伝えしていく。