臆することのない、活気と魅力にあふれるブランドとして新生JAGUARの誕生へ
JLRの看板ブランド「JAGUAR」は112月2日の20時( 日本時間の12月3日10時 / 英国ゲイドン発 )、マイアミ・アートウィークにて「Copy Nothing」を発表する。
それは新生JAGUARがクリエイティブフィロソフィーのテーマとして掲げる〝Exuberant Modernism〟を、DESIGN VISION CONCEPT( デザイン・ビジョン・コンセプト )と銘打った作例を示すもので、これが新生ブランドの世界初の公開インスタレーションになると謳う。
またこれに併せて、そのDESIGN VISION CONCEPTのティザー画像も公開した。示されたのは、デジタルバックミラーを搭載する電動GTのリアフォルムをイメージさせる画像で、大胆なデザインビジョン作品の一端が垣間見れる。
なお、この日を以てJAGUARは新時代の幕開けを迎える。その提案の骨子はブランド自体の誕生年にまで遡り、当時の創業者ウィリアム・ライオンズ卿が掲げた信念「Copy Nothing」が再出発のキーワードになるとした。
この上記のCopy Nothingとは、世界のどのブランドとも異なる創業当時のJAGUARの独創的なスタンスを示すもの。今風に言うなら世界が押し並べて画一的な電動車戦略を採るなかで、JAGUARはあくまでも「唯我独尊」を行くということなのだろう。
では、ここでそんなJAGUARの創生期について改めて翻ってみると、ウィリアム・ライオンズ卿( 1901年生 – 1985年没 )と、その友人のウィリアム・ウォームズレイ( 1892年生 – 1961年没 )により、1922年に立ちあげられた「スワロー・サイドカー・カンパニー」が、その源流となる。
4年後の1926年に自動車のボディ補修を契機に自動車産業へ進出。当初はコーチビルダーとしてボディ製造を手掛けることから歩み始めた。その最初の仕事は翌1927年。大衆車であるオースチン・セブンのシャシーにアルミ製ボディを換装した2人乗りロードスターの「オースチン・セブン・スワロー」を発表している。
クルマづくりを本格化させた1935年当時の事業コンセプトは、「美しいクルマを提案すれば必ず売れる」というもの。以降、パワーユニットの量産効果を高めることで、ライバルの高級車達に比肩する高性能車をリーズナブルな価格で提供するという強みを活かし、当時の自動車マーケットで圧倒的支持を得た。
そんな創生期のジャガーの歩みが未来に通じるのであるのなら今日、BEVという新たなパワーユニットを得たラグジュアリーブランドとして、現代を生きるモビリティユーザーに向けた製品づくりを目指すのだと考えられる。
実際、現行ジャガーでチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるジェリー・マクガバン氏は、「JAGUARのルーツは独創性にあります。JAGUARの創業者であるウィリアム・ライオンズ卿は、JAGUARはA copy of nothing( なにもののコピーではない )という哲学を唱えていました。
今日のJAGUARに対する私たちのビジョンは、この哲学に基づいています。 新生JAGUARは、Exuberant Modernism( 活気あふれるモダニズム )という哲学を中心に据えて構築中で、それは、あらゆるタッチポイントに於いて想像力に富み、大胆でアーティスティック、そしてユニークで臆することのないブランド像を示しています。
それらは本来のJAGUARの本質を取り戻し、創業時の自動車愛好家達に愛された価値観へと回帰させつつ、未来に向けて新たなJAGUAR像を創造し、お客様のライフスタイルを豊かにするブランドとしての新時代に相応しい地位を再構築したいと考えています」と述べている。
その変化の姿勢を示すクリエイティブテーマは以下の4つとなる
(1)Device Mark(デバイスマーク)
新たなJAGUARの新デバイスマーク(ロゴマーク)は、幾何学的なフォルム、シンメトリー性、シンプルさなどのモダニズムを力強く表現したもの。視覚的な調和を保ちつつも、過去のブランド感と決別した意外性も併せ持っている。
(2)Strikethrough(ストライクスルー)
お馴染みの〝リーピングキャット〟大胆な直線的グラフィックを背景としたメーカーズマークとして生まれ変わる。この扱いも模倣を打ち破り、既存の価値観を変える姿勢を示しているという。
(3)Exuberant Colours(活気あふれる豊かな色彩)
新生JAGUARの新しいブランドアイデンティティを色彩的に示すのは、アートシーンとの繋がりを思わせる豊かな色使いにあるとした。それはイエロー、レッド、ブルーといったアーティスティックなパレットから生まれた原色の組み合わせであり、ブランドのトーンを決める構成要素として表現されることになるとしている。
(4)Makers Marks(メーカーズマーク)
新生JAGUARの「leaper(リーパー)」となるMonogram(モノグラム)は、ブランドの起源を示す大切なマークとして未来に於いても使われる。但しモノグラムはブランドの卓越性を示すものとして扱われる。
4 つの変化のシンボルにはそれぞれ意味が込められており、ブランド価値を反映し、これから何が起こるのかを知る手掛かりになると結ばれている。