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2020年10月30日【エネルギー】

いすゞ自動車とボルボ・グループの提携会見

間宮 潔

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 いすゞ自動車とボルボ・グループは30日、WEB会見を開き、昨年12月に締結した覚書を基にした商用車分野での戦略的提携に関する基本契約を正式に結んだと発表した。ボルボ傘下のUDトラックスの事業取得を含め、広範囲な協業(??ホリステック・アライアンス)を推進、先進技術分野でも補完し合う。このため20年以上の長期契約とし、両者は「パーフェクト・マッチ」の実現に努める。(佃モビリティ総研・間宮潔)

 

いすゞの片山正則社長は、「この長期的なパートナーシップが、商品・技術・地域での協力のもと、世界の物流業界の進化に貢献し、未来に向けて、お客様と共に新たな価値を創造していくことを確信する」と期待を込めた。

 

 一方、ボルボ・グループのプレジデント兼CEOのマーティン・ルンドステット氏は「このアライアンスによって、それぞれの市場や商品セグメントにおける競争力が増すことに期待する。技術開発投資の成果を共有するだけでなく、相互の企業成長に貢献する」と述べた。
またルンドステット氏は「UDトラックスがいすゞグループの一員となることで、ボルボといすゞをつなぐ重要な役割を担うとともに、UDトラックス自身のさらなる成長につながる」とコメントした。

 

いすゞは中・小型トラックのリーディングカンパニーとして年間25万台を販売、そのうち25%を日本、18%をアセアンで販売するなどアジア圏が強く、欧州その他地域で弱い。一方、ボルボは大型トラックメーカーのリーディングカンパニーとして、欧米を中心に年間20万台を販売する。

 

いすゞとボルボはそれぞれの強み、得意とする分野を活かし、相互に補完して、製品・リソースの最適化を図り、ボリュームの拡大を図る。

 

 具体的には、いすゞとUDトラックスがボルボ・グループの技術も活用して、日本及びアジア市場向け大型トラックのプラットフォームを共同開発する。
加えて商用車の自動運転、コネクテッド、電動化などの先進技術分野でも協業、将来を見据えた技術開発を加速させる。

 

協業開始は来年4、5月頃とし、いすゞはボルボからUDトラックスの事業譲渡を受ける。株式買い取りやボルボへの借入金の返済などを含め2820億円の資金を充てる。
両者は長期にわたり戦略的提携を具現化するため、両者トップ経営層で構成するアライアンスボードを設置しており、その実行部隊として日本とスウェーデンの双方にアライアンスオフィスを設置する計画だ。

 

いすゞとUDトラックスの日本でのサービス拠点は、合わせて400拠点にのぼり、今後重複拠点の見直しなどが検討される見通しで、物流効率化を後押しするコネクテッド・サービスでの拡大でも協業する。
また両者は製造段階でも共同開発に絡んで、部品調達など購買協業も追求していく構えだ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。