NEXT MOBILITY

MENU

2024年10月24日【新型車】

いすゞ、国内初のBEVフルフラット路線バスを発売

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

エルガEV郊外型(イメージ)

 

エルガEV郊外型モデルにメンテナンスリースを導入

 

いすゞ自動車は10月24日、先の5月に発売したバッテリーEV(BEV)路線バス「エルガEV」シリーズに中距離のバス路線に適した郊外型モデルを新たに追加し同日より販売を開始した。

 

今回のエルガEVでは、小型BEVトラック「エルフEV」で評価を得ているトータルソリューションプログラム「EVision(イービジョン)」を採用。BEVの導入検討時から、充電機器の導入、運行可視化・充電管理などの運用に伴う課題解決から導入後のCO2排出量の削減量などの効果検証まで、ワンストップで顧客企業の安定運行を支えるという。

 

BEV路線バス「エルガEV」郊外型モデルの主な特徴は以下の通り

 

郊外型レイアウト

車両全体の乗車定員数を重視した都市型レイアウトに対し、完全フルフラットの床形状はそのままに、中距離の路線に向け、着席定員を最大限確保した郊外Ⅰ&Ⅱ型の設定を追加した。郊外Ⅰ型は右側前方2脚、郊外Ⅱ型は右側前方4脚をそれぞれ2人掛けに変更し、着席定員数を拡大させている。

 

郊外型シート配置(Ⅰ・Ⅱ型)

 

EVisionプレイズムコントラクト
BEVはエンジン音や排気音などがなく、走行中の異音や振動など五感で車両の異常・故障を検知しにくいため、従来のディーゼル車以上に車両のコンディションの把握が重要となる。

 

エルガEVシリーズはバスとして初めていすゞ独自のコネクテッドサービス「PREISM(プレイズム)」を採用し、車両コンディションを遠隔で把握することが可能になった。同サービスを応用することで、同じくバスとしては初となるBEV専用フルメンテナンスリース商品「EVisionプレイズムコントラクト」にて車両を提供して安定した稼動を支える。

 

その具体的なサービス内容は、事務所などの離れた場所からでもバッテリーの充電残量・充電進捗・劣化状況、航続可能距離などの車両コンディションをモニターでき、BEV関連装置を含む不具合・故障の検知が可能になる。

 

また契約期間中は、高電圧バッテリーを含むBEV固有部品もフルメンテナンス対象として高度純正整備を提供する。また万一の故障の際は、いすゞサービス工場が遠隔車両情報を活用し、追加費用無しで迅速に修理対応する。

 

さらに、EVisionプレイズムコントラクトは充電機器本体・設置工事費も含めたパッケージでのサービス提供も可能となっている。

 

充電マネジメントサービス
BEV路線バスの運行は急速充電器による充電が前提となるため、バス事業者における施設電力のデマンドがピーク値を超過することにより、増大する基本料金の抑制といった課題が発生する。

 

このような電力課題へのソリューションとしてPREISMに加え、顧客の施設側に於けるエネルギーマネジメントシステムとの連携も可能な商用車情報基盤「GATEX」を利用し、運行計画と施設の電力デマンドに基づいた充電計画の策定と、それに基づいた充電管理を可能とする充電マネジメントサービス(一部別契約・有償)の提供も行っていく予定だ。

 

いすゞでは、「これからも地球の〝運ぶ〟を創造するをPURPOSE(使命)に、エルガEVシリーズの車両展開のみならず、お客さまの課題の解決に寄与するトータルソリューションプログラムを提供することで、車両の安定運行やカーボンニュートラル(CN)化の実現に貢献してまいります」と話している。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。