いすゞ自動車は、6月11日、大型路線バス「エルガ」および中型路線バス「エルガミオ」を改良し、同日より全国一斉発売することを発表した。
今回の主な改良は、まずドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)を全車標準装備したことだ。
この機能は、走行中、ドライバーが急病などで安全に運転できない状態に陥った場合、乗客や乗務員が非常ブレーキスイッチを押すことで、減速して停止させることを可能としたもの(国土交通省策定「ドライバー異常時対応システム」技術指針に準拠)。
スイッチが押されると車内では音声アナウンスと赤色フラッシャーランプにより、異常時であることを乗客に伝達。
さらに、車外にはホーンを鳴らし、ハザードランプとブレーキランプを点滅させて異常事態を知らせる。
なお、ブレーキについては、路線バスの運行上必要となる立席の乗客の安全性に配慮し、観光バス用EDSSとは異なる制御となっている。
また、BOA(ブレーキ・オーバーライド・アクセラレーター)も全車標準装備する。これは、アクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏み込んでしまった場合、エンジン出力を制御し、ブレーキ操作が優先される機能。
加えて、エンジンと排出ガス後処理装置に各種センサーを追加・変更し、排出ガス性能にかかわる装置の故障診断の要件強化(高度OBD)にも対応した他、AMT(自動変速マニュアル・トランスミッション)の性能を向上させるなどで、より快適な走行と運転負担の軽減も実現している。
なお、年間販売目標は800台(エルガシリーズ全体)、税込価格は2257万920円〜2708万2080円だ。