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2019年8月2日【アフター市場】

いすゞ、2020年3月期第1四半期の決算会見を実施

間宮 潔

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国内の小型トラック駆け込み需要などで増収となるも中国ビジネスの不振などで減益

 

 いすゞ自動車が8月2日発表した2020年3月期第1四半期(2019年4~6月)連結決算は、国内における排ガス規制前の小型トラック駆け込み需要やタイでの増販に支えられ増収を維持したものの、インドネシアやトルコでの販売不振さらに中国における一部都市でのピックアップトラック販売規制などによる販売減や為替変動などによる費用増が重なり減益となった。

 

 いすゞの2020年3月期第1四半期連結売上高はグローバル販売台数が減少する中、前年同期比4.3%増の5091億円と増収となった。国内売上高が同4.7%増の1885億円となったほか、海外売上高もタイの増販に支えられ同4%増の3206億円を確保した。

 

ただし営業利益は同12.2%減の460億円、経常利益は同21.8%減の440億円、当期利益も同28.1%減の274億円と共に減益となった。原価低減活動などで39億円規模の増益を図ったが、鋼材などの原料高で25億円、バーツ高などの為替変動で31億円、また開発費などの費用増加で47億円が減益となった。

 

 

 企画・財務部門統括の南真介取締役常務執行役員は第1四半期の業績について、「発表はしていないが、社内計画に対して、計画線上にある」とした。また通期予想では「為替の影響がかなり来ると思うが、台数とのイーブンもあり、とりあえず今回は5月発表の通り、据え置いた」と述べた。

 

詳細は企画・財務部門統括補佐の中俣直人執行役員が説明した。同第1四半期におけるグローバル販売台数は前年同期比5%減の14万9千台にとどまった。このうち国内CV(トラック)販売は、前年同期比15%増の1万9千台としたが、海外CV販売が同13%減の4万9千台と落ち込み、CV合計で同6%減の6万8千台でとなった。

 

またタイにおけるLCV(ピックアップトラック)ビジネスもタイ国内が好調だったが、中国向けなどLCV輸出が低迷した結果、前年同期比3%減の8万1千台にとどまった。タイ国内は4万1千台(同7%増)、LCV輸出は4万台(同12%)となった。

 

第2四半期後半は反動減が予想されるため、新型エルフの安全装備と好燃費を訴求していく

 

 国内の普通トラック市場(全需)は第1四半期、2万1千台規模の微増で推移しているが、いすゞ車は厳しい競争環境の中で6千台規模、前年並みのシェア29%を維持した。小型トラック市場は2万5千台で前年に対して10%の伸びを示すなか、いすゞ車は1万1千台規模の増販を行ない、シェアを35.8%から45.4%に引き上げた。

 

中俣氏は「排ガス規制対応前の駆け込み需要を効果的に取り込めた。第2四半期も引き続き好調さを想定しているが、後半は反動減が予想される。新型エルフの安全装備と燃費の良さを訴求する」と語った。

 

 タイのLCV市場(全需)は前年同期比5%増の12万6千台となったが、モデル末期を迎えたいすゞ車も4万台と市場並みに健闘して32%のシェアを維持した。LCV輸出は同12%減の4万台となった。欧州では規制前の駆け込み需要があって6千台と倍増させたが中国、アジア圏では4千台、3千台とそれぞれ半減させた。

 

産業用エンジンは「中国での建機需要に不透明感が出ている」ことから、3万台と前年水準に対して1千台減少しているほか、ディーゼルエンジンの生産ボリュームは19万7千台でほぼ前年並みとした。(佃モビリティ総研・間宮潔)

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。