いすゞ自動車は8月29日、16年振りにフルモデルチェンジした中型トラック「フォワード」シリーズを同日より販売開始した。
今回のフルモデルチェンジでは、「デザイン」「セーフティ」を中心に、「ホスピタリティ」「コネクテッド」の分野で進化を図り、多彩なラインアップはそのままに、先進安全装備の選択肢を広げて、「運ぶ」を担うドライバーに安全と快適を提供する。
そんな新型「フォワード」の主な改良点は以下の通り
(1)デザイン
「PLEASURE to CARRY」をコンセプトに、タフさと華やかさを高い次元で両立。中型トラックらしい車格感を演出しつつ、誰もが乗ってみたくなる親しみ易いスタイリングに仕上げた。
(1-1)エクステリア
フロントグリルには、新しいいすゞのブランドアイデンティティーである「ワールドクロスフロー」を取り入れた。これは同ブランドとして一貫性のあるグラフィックでありながら、新フォワードでは中型トラックらしい堅牢さを表現している。
(1-2)インテリア
タフで機能的でありながら、親しみやすさを感じる室内デザインに仕上げた。人が直接触れるスイッチ類をブラックカラーでゾーニングし、識別性の向上や耐傷性にも配慮した。
(2)セーフティ
交通死亡事故ゼロを目指し先進安全・運転支援機能を拡充させた。今改良では、近距離ミリ波レーダーの追加とドライバーステータスモニターを追加してアクティブにドライバーをサポートする。加えて検知や警報のみならず、システムが車両を制御することで事故抑制にも貢献する。
(2-1)レーンキープアシスト
走行時に車線を検知し、自動的にステアリング制御を行って車線逸脱による事故を抑制する。また高速走行時に車線内の中央走行を維持することで、長時間運転によるドライバーの疲労を軽減させる。
(2-2)ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)
ドライバーが急病などで安全に運転できない場合に、システムが異常を検知して自動で車両を緊急停止させる。またこれはドライバーによるスイッチ操作でも作動する。
(2-3)可変配光型LEDヘッドランプ
先行車や対向車の光をセンサーが検知して、ハイビーム走行時、安全走行に必要な範囲を自動で配光すると共に夜間走行時の良好な視界を確保。ドライバーの安全と疲労軽減に貢献する。
(2-4)ドライバーステータスモニター
ドライバーの居眠り運転や脇見運転などを検知し、警告音とモニター表示で注意喚起を行う。更に過度な眠気を検知した場合、自動的にエアコンが強い冷風を発し、より強く注意喚起することで事故抑制に寄与する。
(2-5)ブラインドスポットモニター
新たにレーダーを追加したことで、側方衝突警報装置(BSIS:Blind Spot Information System)装着義務化の法規に対応した。また交差点進入時の警報機能に加え、車両直前や左側方、車線変更時の死角に入り込んだ対象物の検知・警報も可能になっている。
(2-6)標識認識機能
車両搭載カメラが、最高速度・車両進入禁止・追越禁止・一時停止の交通標識を読み取り、メーターディスプレイに表示。ドライバーの交通標識の見落としを防ぐ。
(2-7)標識連動型スピードリミッター
カメラが読み取った最高速度標識に合わせて、車両側でスピードリミッター制御を行い、速度超過による事故を抑制する。
(2-8)全車速車間クルーズ
全車速車間クルーズをエアサスペンション車にも追加。全車速域で車間距離を維持するように車両を制御する。また先行車が発進し、ドライバーの発進操作がなかった場合は、メーターディスプレイ上でドライバーに先行車発進を知らせる。
(2-9)電動パーキングブレーキ
電動パーキングブレーキを新規設定。自動で作動/解除する機能を備えドライバーの離席と連動する他、EDSSによる緊急停止でも自動で作動し、安全性の向上とドライバーの負荷軽減に貢献する。
なお上記の先進安全機能は、それぞれの顧客の立場に立った細かなニーズや、運行形態に合わせて選択できるよう「ベーシック」「スタンダード」「アドバンス」「プレミアム」の4種のパッケージオプションが用意されている。
(3)ホスピタリティ
キャビンデザインは広がりを感じるものに一新させ居住性も向上した。実用面でも大型トラック譲りの新高機能シートの採用など車格感の向上にも努めた。
また、先進安全・コネクテッド機能の装備追加により、操作スイッチ数や車両からの情報量が増加する中、今改良ではスイッチ類の最適配置を行い、誰にでも使い易いデザインにしてドライバーの多様化に配慮した。
(3-1)インストルメントパネルの刷新
インストルメントパネル上のスイッチは、走行中に使うものをドライバーのより近くに配置した。スイッチ類は目的別にゾーニングし、使い勝手の向上を図っている。
(3-2)メーターパネルの刷新
メーターパネルの中央部に7インチのメーターディスプレイを採用した。シンプルなレイアウト上に、新たに開発した「いすゞオリジナルフォント」によって視認性を向上させた。これにより走行中の可読性を高め、先進安全装備や車両コンディションの情報を的確に伝えられるようにした。
(3-3)センターディスプレイの新規設定
タッチパネル操作の7インチセンターディスプレイを新採用した。それらによりバックカメラ映像やBluetooth接続による音楽再生機能、SmartDriveLinkTMを利用したスマートフォンのアプリを画面上で操作することが可能となり、車内のエンターテインメント性を高めている。
(3-4)高機能シートの新規設定
先の通り大型トラック「ギガ」に採用している高機能シートをクラスを超えて新型「フォワード」にも採用した。シートサスペンションは任意の高さで固定し、乗降時や室内移動時に便利な「電子式サスペンションロック」や、高級乗用車が採用する「吸引式ベンチレーション機能」、「シートヒーター」を装備し長時間でも快適な運転を可能にした。
(3-5)収納力
室内空間の利便性を高めるために、最大40リットルを超える収納スペースを確保し、クラストップの使い勝手を実現させている。
(4)コネクテッド
2022年10月にサービス提供を開始した商用車情報基盤「GATEX(ゲーテックス)」を利用した、商用車テレマティクス「MIMAMORI」および、いすゞ独自の稼動サポートサービスである「PREISM」を新型「フォワード」でも提供する。
特にPREISMではスマホアプリの機能を拡張。車両だけではなくドライバーとも繋がることで安心と安全な稼動をサポートする。
車型:車型2RG-FRR90V4
仕様:
GVW:8t級
Fカーゴ(ウィング)
フルキャブ・標準ルーフ
エアサスペンション
JH25:達成
JH15:10%達成
安全装備:ADVANCE
エンジン/トランスミッション
・4HK1-TCH
177kW(240PS)
・6速スムーサーFx
価格
税抜13,733,000円(東京希望小売価格)
税込15,106,300円(東京希望小売価格)
国内目標販売台数
16,000台 / 年 (フォワードシリーズ全体)