「エルフEV」　塵芥車

いすゞ自動車2月17日は、小型トラックの量産バッテリーEV（BEV）「エルフEV」に、特装車（塵芥車および高所作業車）向けシャシを新たに追加し販売を開始した。

エルフEVは、カーボンニュートラル（CN）社会の実現のため、いすゞが初めて開発した量産BEVトラックで、今回、同シリーズラインアップに、塵芥車と高所作業車を新たに加えた。

架装物への動力供給にはいすゞ独自開発の電動PTO（Power Take Offの略。車両の動力源（エンジン、バッテリー等）から架装物に動力を取り出す装置）を採用。架装物の稼働による電力消費を考慮して、大容量かつ高電圧の走行用バッテリー（66kWh）を搭載した。

またシャシ設計にはいすゞの商品開発手法である「I-MACS」（主要なコンポーネントをモジュール化し、同じプラットフォーム上で組み合わせることにより、異なる動力源の車両でも様々な架装を可能にする、いすゞ独自の開発手法）を用い、車両の操作系やレイアウトをディーゼル車と可能な限り共通化した。これにより、これまでディーゼル車で利用していた様々な架装への対応が可能となった。

更にコネクテッド技術による稼働サポート「PREISM（プレイズム）」に新たに追加した充電マネジメント機能で、効率的な充電により電気代への影響を抑制するEV充電が可能となった。

主な車両の特長は以下の通り

商用BEVに適した大容量高電圧バッテリーの搭載
電動PTOをキャブ後方に配置することで、電力消費の多い特装車でも安心して使用できるようショートホイールベースで総電力量（国連危険物輸送勧告の定義に基づき算出した車両に搭載したバッテリーのエネルギー量）66kWhのバッテリー容量を確保した。

架装にとらわれない汎用性を実現し、耐久性に優れた電動PTOの採用
架装物に応じてPTO搭載位置が変更でき、優れた冷却性能により特装車特有の連続使用にも耐えることができる、いすゞ独自開発の電動PTOを採用した。

いすゞ独自の開発手法「I-MACS」による設計でディーゼル車同等の使い勝手を実現
マルチパスウェイでCN化を進めるいすゞが採用する開発手法I-MACSにより、BEVながらもディーゼル車同等の架装性と使い勝手を可能とした。優れた小回り性（最小回転半径4.8ｍ）や、塵芥車架装においては投入口の高さを維持している。

EVisionで特装車の使われ方に配慮したBEV運用を提案
EVision（いすゞのトータルソリューションプログラム）により、車載蓄電池を介して走行中の電力消費だでなく、電動PTOで架装物を動かすためにも電力としても利用できる。

稼働サポート「PREISM」による充電マネジメントを新たに標準化

商用車情報基盤「GATEX」（いすゞ・トランストロン・富士通の商用車情報基盤）を活用して、車両の安定稼働を提供する稼働サポート「PREISM」を活用。この結果、いすゞ独自の充電マネジメントが可能となった。

充電プラグ（普通充電器のみ）を接続するだけで、顧客自身がPREISMウェブ画面から設定した充電スケジュールに基づき、車両が自動で充電の受け入れ制御を行える。これにより車両毎の効率的な充電管理を実現し、電気料金の上昇を最小限に抑えることを可能にした。

EVisionプレイズムコントラクトで最適なBEV導入を提供
エルフEVは、いすゞ独自のバッテリー状態予測技術と、PREISMを活用した最適導入プラン「EVisionプレイズムコントラクト」を用意。車検や定期メンテナンスに加え、万が一のBEV固有の故障整備までを担保していることで、月々定額で導入可能とした。

またBEVの導入にあたり、顧客それぞれの走行距離からバッテリー劣化状態（SOH／State of Healthの略。バッテリーの劣化状態を表す数値）を予測し、安心して運用できる最適なリース期間（最大10年間／最大10年間のリースは初回のみ。2回目以降は、初回リース満了時のバッテリー状態に応じた再リースプランを提案）を提案。これらによりバッテリー劣化による運用課題を解決し、安心してBEVを運用できるようサポートする。

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＜「エルフEV」主要モデル諸元＞

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項目 塵芥車シャシ
型式 ZAB-NMR48AM
主な仕様 準中型免許対応
ハイキャブ/標準ホイールベース/高床
モーター種類 交流誘導電動機
バッテリー種類 リチウムイオンバッテリー
モーター最高出力 150kW
モーター最大トルク 370N・m
バッテリー容量 66kWh
充電方法 普通充電/急速充電（CHAdeMO方式）
１充電走行距離 190km
最小回転半径 4.8m
乗員 3名

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項目 高所作業車シャシ
型式 ZAB-NKR48AM
主な仕様 準中型免許対応
標準キャブ/標準ホイールベース/高床
モーター種類 交流誘導電動機
バッテリー種類 リチウムイオンバッテリー
モーター最高出力 150kW
モーター最大トルク 370N・m
バッテリー容量 66kWh
充電方法 普通充電/急速充電（CHAdeMO方式）
１充電走行距離 190km
最小回転半径 4.8m
乗員 3名

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＜主な安全装備・運転支援機能＞

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•全車速車間クルーズ
•ドライバー異常時対応システム
•ドライバーステータスモニター
•可変配光型LEDヘッドランプ
•プリクラッシュブレーキ（直進時･右左折時）
•交差点警報
•自動作動機能付き電動パーキングブレーキ
＜国内目標販売台数＞
40,000台 / 年 （エルフシリーズ全体）
＜東京地区希望小売価格＞
リース販売のため車両価格は非公表

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エルフEV　製品サイト：ELF EV | ISUZU：エルフ（小型トラック）
https://www.isuzu.co.jp/product/elf/ev/