FOMM (フォム)は10月26日、出光興産とサービスステーション(SS)のネットワークを活用したEV関連事業の推進を目的に、協業の検討に関する覚書を締結したと発表した。
FOMMは、2013年に設立された小型電気自動車(EV)の企画・開発を行うベンチャー企業。自社開発した軽自動車規格の4人乗り小型EV「FOMM ONE」を、2019年にタイで発売し、また2021年からは日本でも販売。
更に現在、ジャパンモビリティショー 2023(JMS2023/一般公開日10月28日~11月5日)でユタカ技研(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:青島 隆男)と共に東7ホールのE7405ブースで共同開発した「次世代小型モビリティ向け汎用フレーム」を出展中だ。
なお今記事の出光興産とは、今後、先の覚書の下、EVのメンテナンスや軽自動車向けEVコンバージョン(内燃エンジン車のEV化)サービス体制の構築などの分野で協業を検討していく。
<協業を検討する分野>
・「FOMM ONE」のメンテナンス等のアフターサービスの提供および出光のSSネットワーク活用に関する検討。
・FOMMのバッテリー交換式コンバージョンEV事業に於ける販売、改造業務、アフターサービス提供等と出光のSSネットワーク活用に関する検討。
・出光のSSネットワークを活用したFOMMのバッテリー交換ステーション事業の展開に関する検討。
・FOMMが将来的に量産を計画する新型車両の展開に関する連携可能性の検討。
出光は、新車販売台数の半数以上がEV(ハイブリッド車含む)となっている現在の環境を踏まえ、それらEVのメンテナンスを含むアフターサービス需要が今後加速すると予測しており、昨年11月発表の「中期経営計画(2023~2025年度)」に於いて、3つの事業領域の社会実装を通じて、事業ポートフォリオを転換していくことを表明。今回のFOMMとの協業検討を、「スマートよろずや」の開発と社会実装に向けた取り組みと位置付けていると云う。
「スマートよろずや構想」のスローガンである「いろんなa!を、このまちに。」の下、全国に広がるアポロステーション(apollostation)を、燃料供給に留まらない地域の生活支援基地への変革を掲げていることから、バッテリー交換式EVに関する技術と知見を有するFOMMとの協力により、関連する多様なサービスとネットワークの拡充を実現し、それぞれの地域の困りごとの解決に貢献していきたいとしている。
<FOMM概要>
– 会社名:株式会社FOMM
– 設立:2013年2月
– 代表者:代表取締役 鶴巻 日出夫
– 所在地:神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢上町30-18
– 事業内容:
2019年に初の製品となる「水に浮き、移動ができる対水害機能」を備えた小型EV「FOMM ONE」の販売を開始。「FOMM ONE」に留まらず、「着脱式小型バッテリーによる簡易交換システム」や「バッテリー交換インフラシステム」など、モビリティを始めとした幅広い分野において研究開発に取り組んでいる。