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2025年2月20日【新型車】

ICEモデル、新型アウディRS Q8パフォーマンスを発売

坂上 賢治

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アウディ ジャパンは2月20日、フルサイズ SUVクーペ Audi Q8のスポーツモデル「新型Audi RS Q8 performance」を発表。同日より全国のアウディ正規ディーラー(123店舗、現時点)を通じて発売する。

 

この新型Audi RS Q8 performanceは、Audi Sportモデル史上、最もハイパフォーマンスな市販ガソリンモデルとして最高出力471 kW(640 PS)/850 Nmを発揮。アウディのレーシングモデルとスポーツグレードを開発・製造・販売するAudi Sport GmbHによるAudi Q8シリーズの頂点に位置付けられ、ニュルブルクリンク北コースの市販SUV最速ラップタイムレコードホルダー車でもあるという。

 

 

搭載されるパワーユニットは4.0ℓ V型8気筒直噴ツインターボチャージャーエンジン。0-100 km/h加速は3.6秒。新開発の軽量エキゾーストシステムにより出力を向上させているが、オプションのRSスポーツエキゾーストシステムに換装することで、よりパワフルなサウンド体験を提供できる。

 

駆動・伝達方式は、quattro(クワトロ)フルタイム四輪駆動システムと8速ティプトロニックを組み合わせて、エンジンパワーを前後の車軸に40:60の比率で分配する。スリップが発生した場合、駆動トルクの最大70%を前輪に、最大85%を後輪に伝えることができる。

 

 

サスペンションは、専用チューニングされたRSアダプティブエアサスペンションを標準装備。ダンピングをコントロールするこのサスペンションは、車高を最大90ミリメートルの範囲で可変できる。これにアクティブロールスタビライザー(eAWS)を標準装備。2分割されたスタビライザーの間に配置されたコンパクトな電動モーターは、両軸に接続され、直進時には、二つのスタビライザーが分離して、路面の凸凹をスムーズに吸収する。

 

また車がコーナリングする際には、eAWSの電動モーターがスタビライザーを相互逆方向に回転させ、ボディ横方向のロールを積極的に抑制。高速域では安定感を向上させ、ワインディングでは俊敏なハンドリングを実現させる。eAWSに電力を供給する48Vのリチウムイオンバッテリーは、短時間で高電流を吸収および放出可能で、それぞれ最大1.5キロワットの電力を2つの電動モーターに供給する。

 

また、Audi RS Q8 performanceの高いパフォーマンスに対応するために、リヤスポーツディファレンシャル、セラミックブレーキ/アンスラサイトグレーのブレーキキャリパーを標準装備。色はオプションでレッドまたはブルーが選択可能。ブレーキキャリパーは10ピストンで、ブレーキディスクの径はフロントが440 mm、リヤが370 mmとなる。

 

 

同じく標準装備の四輪操舵システム オールホイールステアリングは、高トルクの電動スピンドルドライブにより俊敏性と安定性に寄与する。高速走行時での車線変更時には、後輪が前輪とは同方向に最大1.5度回転。低速時には、後輪が前輪とは逆方向に最大5度回転し、それにより回転半径が縮小される。またオプションのスピードリミッターにより最高速度を305 km/hまで引き上げることもできる。

 

インテリアには、バルコナレザーにハニカムステッチが施された、シートベンチレーション付きパーフォレーテッドS スポーツシートを採用。各部に印象的なカラーアクセントをつけるレッド、グレー、ブルーのRSデザインパッケージプラスがオプションで用意され、RSロゴがカラーに合わせて刺繍される。

 

RS 専用ビューを備えた12.3インチのアウディバーチャルコックピットプラスRSデザインは、マニュアルモードでの最適なギアチェンジのタイミングを示すシフトライトインジケーターを備えた。モータースポーツで使用されるメーターパネルと同じように、回転数の表示が緑から黄色、赤と点滅して、タイミングをドライバーに知らせる。アウディバーチャルコックピット内のシンボルを通じて表示されるローンチコントロールは、Audi RS Q8 performanceの潜在的な加速性能を最大限に引き出す。

 

 

最後に、先に紹介した通りでAudi RS Q8 performanceは、世界で最も過酷なサーキットと言われるニュルブルクリンク 北コースにおけるSUVクラスのラップタイムレコードホルダー(発表時点)でもある。2024年6月、レーシングドライバーおよび開発ドライバーのフランク スティップラー氏(Frank Stippler)は、20.832kmのトラックで、アップデート前のAudi RS Q8よりも約6秒タイムを縮め、7分36秒698を記録した。

 

この結果には、出力を471kW(640PS)に高めたこと、また専用にチューニングされたRSアダプティブエアサスペンションスポーツ、eAWS、オールホイールステアリング、そしてリヤスポーツディファレンシャルから構成される最適化されたシャーシコンポーネントが、大きく貢献していると結んでいる。

 

Audi RS Q8 performance ウェブサイト:
https://www.audi.co.jp/ja/models/q8/rsq8_performance/

 

モデル:Audi RS Q8
エンジン:performance 4.0ℓ V8直噴 ツインターボチャージャー 640PS/850Nm
トランスミッション:8速ティプトロニック
駆動方式:quattro
ステアリング:右/左
車両本体価格(税込):22,060,000円

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。