サウジアラビアを舞台に開催されているダカールラリー2021が、1月15日に最終の第12ステージを終了し、ワークスマシン「CRF450 RALLY」に乗る、Monster Energy Honda Team(モンスター・エナジー・ホンダ・チーム)のケビン・ベナビデス(Kevin Benavides)選手が、二輪車部門の総合優勝を獲得した。
また総合2位には昨年優勝のリッキー・ブラベック(Ricky Brabec)選手が入り、Hondaはダカールラリー2021で、1987年以来の1-2フィニッシュを飾るとともに、2年連続のダカールラリーの二輪車部門における総合優勝となった。Hondaが1月15日発表した。
ベナビデス選手はアルゼンチン出身の32歳。2016年にHonda South America Rally Team(ホンダ・サウス・アメリカ・ラリー・チーム)からダカールラリーに初参戦し、総合4位を獲得。以降は、Monster Energy Honda Teamから参戦※している。今年のダカールラリーでは、第5ステージで総合優勝を獲得し、総合成績でも首位に立った。一旦は首位を明け渡したものの、第10ステージで再び首位に立つと、その後も安定した走りで首位を守り続け、自身初の総合優勝を飾った。
※ 2017年は怪我のため欠場、2018年総合2位、2019年総合5位、2020年総合19位
1979年より開催されているダカールラリーは、昨年から開催地をサウジアラビアに移し、今年で43回目になる。「世界一過酷なモータースポーツ競技」と言われており、Hondaは1981年のパリ・ダカールラリー第3回大会から参戦。1986年にNXR750で優勝するとその後1989年まで4連覇を果たした。1990年からは参戦を休止した後、2013年、当時は南米で開催されていたダカールラリーにCRF450 RALLYで復帰。2020年に復帰後初の総合優勝を獲得している。
■Monster Energy Honda Team ケビン・ベナビデス
生年月日 : 1989年1月9日(32歳)
出身地 : アルゼンチン
直近の戦績:2020年ダカールラリー2020 総合19位(ステージ優勝1回)
「今年のダカール最終ステージは、非常に厳しいものでした。3番手スタートだったので比較的楽だろうと予想していましたが、間違いでした。50キロ地点で先行のライダー達がコースに迷ったため、前方が開けました。ナビゲーションが非常に難しいステージでしたので、手堅く走ることに専念しました。とにかく全てを出し切った勝利で、夢が叶った気分です。とにかく嬉しいです。ゴールラインを越える時は、いろいろなことを感じ、考えていました。かつてのチームメート故パウロ・ゴンサルヴェスとともにゴールラインを越えました。素晴らしい瞬間でした。この瞬間は、生きていることの喜びでいっぱいです。今年のこの難しい状況の中、素晴らしい仕事をしてくれたメカニックを始め、チームのみんなに感謝しています。また、自分の夢を叶えることを可能にしてくれた、素晴らしいマシンを準備してくれたHondaに感謝しています」
■ホンダ・レーシング(HRC) 代表取締役社長 野村欣滋(のむら よししげ)
「ケビン・ベナビデス選手、優勝おめでとう。また、リッキー・ブラベック選手、過酷なラリーを完走し、優勝に相当する素晴らしい結果を、またリタイアしたものの、それまでラリーをリードする走りをみせてくれたホセ・イグナシオ・コルネホ選手、ジョアン・バレーダ選手、本当にありがとう。Monster Energy Honda Teamの全ライダーが素晴らしい結果を残せたのは、コロナ禍による厳しい環境の中で、すべてのチームスタッフ、すべての開発チームの皆さんが、知恵を絞り、厳しい環境を乗り越えてくれたお陰で、心から感謝をしています。また、我々TEAM Hondaを支えていただいたスポンサーの皆さま、そして応援していただいたファンの皆さんと、この勝利の喜びを共有するとともに、お礼を申し上げます。最後になりましたが、このコロナ禍の中でレース開催に尽力して頂いた関係者の皆さま、ともにレースに参加したすべてのチームの皆さまに、敬意を表すると共に、感謝の気持ちを伝えたいと思います」