インド市場の特性や顧客嗜好を取り入れた同国専用モデル
本田技研工業(ホンダ)は11月27日、インドで交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」2個を動⼒⽤電源に採⽤した「ACTIVA e:(アクティバ イー)」、固定式バッテリーを搭載した「QC1(キューシーワン)」の電動⼆輪パーソナルコミューター2機種を発表した。
ホンダは、2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付けており、電動二輪市場への参入を本格化に際して今年2機種をインドネシアで発表。今回公開したACTIVA e:とQC1は、「2030年までに、グローバルで電動モデルを30機種投入」する車種での、それぞれ12機種目、13機種目に相当するものとだとしている。
より具体的にはACTIVA e:に関しては、インドの主要3都市に於いてバッテリーシェアリングサービス「Honda e:Swap(ホンダ イースワップ)」を展開。固定式バッテリーを搭載したQC1も含めて両モデルともインド国内での生産となり、インド市場で高まる電動モビリティへのニーズに応じて電動コミューターのラインアップを強化する。
上記のACTIVA e:は、インド市場を包括する自社製二輪車で最量販モデルにあたる「ACTIVA」のボディー・フレームをベースに新規開発したもの。交換式バッテリーHonda Mobile Power Pack e:を動力源として2個搭載した排気量110cc相当の電動コミューターモデルとなっている。
動⼒⽤電源には、交換式バッテリーのHonda Mobile Power Pack e:を2個使⽤。Honda独自開発の自社製ホイールサイドモーターを採⽤し、定格出力4.2kW、最大出力6.0kWを発揮。また磁気回路と構造の最適化により高効率化を図ることで、日常の使い勝手に十分な航続距離102kmを実現させている。
デザインは、インドの顧客層から定評のあるACTIVAのスタイリングを踏襲しながら、一目で電動二輪車とわかるシンプルなスタイリングと、フロントコンビネーションライトおよびリアコンビネーションライトやウインカーをLED化することで先進性を演出した。
なおこれに併せてインドの主要3 都市(ベンガルール、デリー首都圏、ムンバイ)では、Honda Power Pack Energy India Private LimitedがバッテリーシェアリングサービスHonda e:Swapを展開していく構えだ。
対してQC1は、これまで自社内で培ったガソリン車の技術やノウハウ、信頼性を踏襲したモデルにあたり、通学など日常の近距離移動に最適な動力性能を実現すると共に、経済性を重視する顧客への最適な選択肢として、インド市場専用に2025年春に投入するモペッドとなる。
動力用電源には、高いエネルギー密度と長いサイクル寿命を実現するバッテリーセルを採用した、1.5kWhの固定式バッテリーを搭載。専用充電器による家庭での充電が可能。後輪にコンパクトなインホイールモーターを採用し、定格出力1.2kW、最大出力1.8kWを発揮。またパワーコントロールユニットがモーター出力を効率的に制御することで、一充電あたりの航続距離は80kmを達成した。
デザインは、安心感と先進性を共存させた仕上げとし、ヘッドライトは凹凸のないフラッシュサーフェスデザインとすると共に、アイコニックな表情を演出。灯火器には夜間走行時の安心感にも貢献する高輝度なLEDを採用している。
メーターには、5インチの液晶メーターを採用。スピードメーターに加え、バッテリーの残量表示などさまざまな情報をシンプルに表示することで利便性を高めた。加えてシート下には、ヘルメットを収納するスペースの他、小物の収納が可能なラゲッジボックスを確保。フロント部内側にはフロントインナーラックと、携帯端末の充電にも便利なUSB Type-Cソケットを標準装備。日常で使い勝手のよい機能を備えている。