本田技研工業(ホンダ)の中国に於ける四輪車生産販売合弁会社である東風本田汽車(以下、東風ホンダ)は、4月25日、新型電気自動車(EV)「e:NS1(イーエヌエスワン)」を26日に発売し、また、5月には同じく四輪車生産販売合弁会社である広汽本田汽車が、新型EV「e:NP1(イーエヌピーワン)」の予約受付を開始すると発表した。
中国初のホンダブランドEVの「e:NS1」と「e:NP1」は、独創、情熱といったホンダのものづくりのDNAと、最先端の中国の電動化・知能化技術の融合により、開発された「e:N(イーエヌ)」シリーズの第1弾。「心動 未体験EV」をコンセプトに、乗る人の心を揺さぶる新しい価値が数多く取り入れられていると云う。
[e:Nの主な特長]
走行性能では、様々な走行シーンに於いて瞬発的な出力と繊細な制御を両立する電動モーターや、510kmの航続距離(中国CLTC基準)を実現する大容量バッテリー、専用のボディー骨格などから構築される「e:N Architecture F(イーエヌ アーキテクチャー エフ)」を新開発。さらにはスポーツモデルの開発で培った空力技術など、ホンダ独自の技術も注がれており、ホンダらしい走りが追求されていると云う。
また、知能化技術では、中国で展開されている最新コネクティビティーのEV専用・新世代技術「Honda CONNECT 3.0(ホンダ コネクト)」や、15.1インチの大型ディスプレーオーディオを標準装備。他にも、安全運転支援機能として、ドライバーの脇見運転や眠気などを検知するのドライバーモニタリングカメラ(DMC)が設定される。
エクステリアデザインでは、フロントに発光する「Hマーク」エンブレムを、リアに従来のHマークに代わる新たな「Honda」エンブレムを採用するなど、e:Nの新たなアイデンティティーが表現されている。
ホンダは、「e:NS1」、「e:NP1」を皮切りに、中国で2027年までに10車種のe:Nシリーズを投入すると共に、販売、生産など、バリューチェーン全体で、電動化の取り組みを加速していくとしている。
[電動化への取組みについて]
1.販売での取組み:オンライン店舗の本格展開、ショールームの刷新
「e:NS1」と「e:NP1」の発売に合わせ、オンライン店舗の本格展開を開始。オンライン店舗では、一対一の対話などで検討から注文までを行うと共に、e:Nの“一触未来”の世界に案内し、全く新しい購入体験を提供すると云う。
また、従来からのショールームも刷新。広汽ホンダでは、北京、上海、広州などの店舗を皮切りに、EV専門店の展開やショッピングモールへの出店を開始し、東風ホンダでは既存の全店舗で「e:Nブランドコーナー」を展開していく。
2.生産での取り組み:広汽ホンダ、東風ホンダでEV専用工場を建設
今後ラインアップを拡大する「e:Nシリーズ」を、安定的に生産・販売していくため、広汽ホンダ、東風ホンダ共に、2024年の稼働開始を目指しEV専用工場を建設する。
中国でのホンダブランドEV・第1弾の発売に際して、ホンダの常務執行役員 中国本部長の井上勝史氏は、以下のように話している。
「今回、e:Nシリーズの第1弾として、e:NS1とe:NP1を中国のお客様にお届けできることを大変嬉しく思います。HondaはEV時代においても唯一無二のクルマづくりを信念とします。中国には既に多くのEVの選択肢がありますが、e:Nは、その中でも別次元の気持ち良さ、楽しさを極める独自の価値を提供し、EVの楽しさを再定義します」。