本田技研工業は10月29日、2020年度上半期(4-9月)の四輪車生産・国内販売・輸出実績を発表した。それによると中国生産に関しては、過去全ての半期を通して過去最高値を記録。9月単月としても好調な中国生産が伸びた。
より具体的な実台数と増加率では47万2696台で109.9%増となった。こうした生産増は実に1年2か月振り。但し世界生産全域では、前年同期比19.5%減の210万9786台と9期振りのマイナスとなっている。
つまり持ち直し始めた中国とは異なり、北米や欧州では18.3%減の177万7483台と2期連続のマイナスとなり、国内生産も25.1%減の33万2303台と5期振りのマイナスに留まっている。
■生産
・国内生産:自工会報告ベース(CBU)
・海外生産:ラインオフベース速報値
・世界生産:国内生産+海外生産
*1=9月単月として過去最高 *2=全ての半期を通して過去最高
この国内販売の25.8%減・28万1586台のマイナス値は実に4期振り。登録車でも27.8%減の13万5779台で2期振りのマイナス。軽自動車も23.8%減の14万5807台で4期振りのマイナス値となっている。
なお国内販売に於ける9月単月の車種別販売実績(登録車)は「フィット」8,922台(登録車名別6位)、「フリード」7,689台(登録車名別8位)。届出車では「N-BOX」18,631台(届出車名別1位)、「N-WGN」8,977台(届出車名別6位)となっている。輸出の方は20%減の5万393台で、こちらも2期連続のマイナスを記録している。
■国内販売
■日本からの輸出
・輸出:自工会報告ベース(CBU)
これらの背景は、欧州などでコロナ禍による深刻な影響が依然続いていること。その一方で、モザイク状態で中国を中心に経済経済活動の活性化が進む地域も存在することにより、一部現地工場で車両生産数に上向きの兆しが見え始めていることを予感させる。
対して日本国内に於ける単月の生産活動では、若干でも数値が積み上がっていく傾向が認められるようになるまで今一歩の場面に立っている。
そもそも欧州並びに米国での感染拡大は現状では予断を許さない。このため中国上向き傾向が同社の世界事業の再始動にどこまで前向きの影響を与えるかについては、未だ不透明と言わざるおえない。