NEXT MOBILITY

MENU

2024年6月27日【新型車】

ホンダ、新型「FREED」を発売 8年ぶりの刷新

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

FREED e:HEV AIR EX

 

台形フォルムで、シンプル・ゆったり空間を訴求した3代目

 

本田技研工業は6月28日、8年振りの刷新となった新型「FREED(フリード)」を発売する。3代目を迎えた新型フリードは、グランドコンセプトを「“Smile” Just Right Mover(“スマイル” ジャスト ライト ムーバー)」とし、使う人の気持ちにも寄り添い、日々の暮らしに笑顔をもたらすクルマとなることを目指して開発されたと謳っている。販売計画台数は月間6,500台。価格は消費税込みで250万8000円から。

 

FREED e:HEV CROSSTAR

 

パッケージングは、取り回し易いボディーサイズを維持するため、2モーターハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイ―ブイ)」搭載による全長の拡大を45mmに留めた。また1列目のシート形状を工夫し、ウォークスルーや2列目シートへのアクセス性を向上させている。

 

 

インストゥルメンタルは、水平基調のダッシュボードを実現とインホイールメーターの採用で、さっぱり感のある前方視界を確保。ベルトラインを水平基調にしたことから、前方から側面へと移る視界を連続性のあるものとした。なおフロントピラーの付け根をタイヤの真上に配置することで、タイヤの位置と車幅感が掴み易い配慮を施したという。

 

 

3列目の席は、リアクォーターウインドウを四角基調に変更して先代モデルよりも窓の面積を拡大した分、開放感と明るさの提案を訴求した格好だ。座り心地の感覚は先代を踏襲。シート構造部を変える事で薄型化し、ゆとりある室内空間に拘ったようだ。

 

なお室内後部に荷物を積載する際は、シート跳ね上げ時の固定位置を低くして荷室への張り出し量を最小限としたことで、畳まれたシート間の距離を約160㎜拡大した。

 

 

車体のデザインは、シンプルデザインのFREED AIR(フリード エアー)、遊び心を盛り込んだFREED CROSSTAR(フリード クロスター)の2タイプ。エクステリアデザインは、ヘッドライトやフロントグリルのシャープな造形として凛とした佇まいを訴求。

 

ボディサイドは、ヘッドライトからキャラクターライン、リアライセンスガーニッシュまで繋がりのある水平基調のラインとしながら鋼鈑のプレス加工により質感自体は高める配慮を施した。対してリアは安定感を与える台形のフォルムを強調。リアコンビネーションランプなどの配置を含めて安定感を与えるものとしている。インテリアもエクステリアと同じく、視覚的ノイズの少ないシンプルな構成とし、限られた空間を広々と使えるよう腐心した。

 

 

パワートレーンは、ハイブリッドモデルに独自の2モーターハイブリッドシステムの「e:HEV」をフリードとして初搭載。1.5L DOHC i-VTECエンジンを搭載したガソリンモデルも用意されている。

走りの訴求面では「リアルタイムAWD」を、ハイブリッド・ガソリン両モデルに設定。雪上走行や悪天候時に安定したドライビングを提供することを目指した。特にe:HEVとの組み合わせでは、モータードライブの特長である大トルクを素早く最適に駆動配分することで、安定感のある走りを提供する。

 

e:HEV 1.5L アトキンソンサイクル DOHC i-VTEC エンジン

 

安全装備では、運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全タイプに標準装備。フロントワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーを用いたシステムを採用し、更なる安心・安全を追求した。

 

1.5L DOHC i-VTECエンジン

 

e:HEV 2モーター内蔵電気式CVT

 

ガソリンエンジンCVT

 

 

<Honda SENSING搭載機能一覧>
1) 衝突軽減ブレーキ<CMBS>
2) 誤発進抑制機能
3) 後方誤発進抑制機能
4) 近距離衝突軽減ブレーキ
5) 急アクセル抑制機能
6) 歩行者事故低減ステアリング
7) 路外逸脱抑制機能
8) 渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール<ACC>
9) 車線維持支援システム<LKAS>
10) 先行車発進お知らせ機能
11) 標識認識機能
12) オートハイビーム
13) アダプティブドライビングビーム
14) トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支機能)
15) ブラインドスポットインフォメーション
16) パーキングセンサーシステム
17) 後退出庫サポート

 

全国メーカー希望小売価格は以下の通り

 

ボディカラーは以下の通り

 

FREED CROSSTAR スロープ

 

FREED CROSSTARリフトアップシート(助手席)

 

なおスロープ車も用意されており、電動ウインチ(速度調整機能・進路補正付)とスーパーフレックススロープを設定。普段の買い物やレジャーシーンで使用したり、介護用途における利便性も高め、生活スタイルの変化に適した多様な使い方ができる仕様に仕立てたという。

 

 

またリアヒーターダクト(車いす乗車スペース用)に加え、リアクーラーをFREEDとして初めて備えることで、2列目や車いす乗車スペースに於いても快適な車内環境が提供できる仕様とした。

 

更に今回の新型フリードから型式指定自動車としてラインアップすることで、持ち込み登録の手間が省け、納車までの時間の短縮を実現している。

 

 

同様にリフトアップシート車では、助手席のシートの回転から昇降まで、すべて電動で操作を行うことで、車いすや杖を利用する乗員にストレスの少ないクルマの乗り降りを可能にしている。

 

またシートの背もたれの角度やシートポジションの電動調整を採用し、シート調整のしやすさを追求。車いすの乗員もシートに乗り移ることで、長距離でも快適な移動の実現を目指した。

 

 

上記仕様の全国メーカー希望小売価格は以下の通り

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。