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2020年6月10日【オピニオン】

ホンダ、中国次世代コネクテッド事業のための合弁会社設立

坂上 賢治

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 本田技研工業の中国現地法人である本田技研工業(中国)投資有限公司(本社:北京、総経理:井上勝史)は現地時間2020年6月10日、Neusoft Reach Automotive Technology(Shanghai)Co., Ltd.(Neusoft Reach:以下、ニューソフト リーチ)との合弁により、Hynex Mobility Service Co., Ltd.(Hynex Mobility Service:以下、ハイネックス モビリティ サービス)を設立した。(坂上 賢治)

 

上記新設されるハイネックス モビリティ サービスは、ホンダブランドの車載コネクテッドシステム「ホンダ コネクト(Honda CONNECT)」を主体に、コネクテッドサービスの進化を目指し、ユーザー体験に新たな価値を提供するもの。このハイネックス モビリティ サービスは遼寧省・大連市に本社を置き、2020年7月1日に事業運営を開始する予定。

 

 本田技研工業は、中国におけるFUNに溢れた独自のスマートモビリティ体験の実現に向け、ここのところ電動化やICV( Intelligent Connected Vehicleの略称)での進化を加速させている。

 

なかでもコネクテッドサービスにおいては、先のホンダ コネクトを今後のモビリティ価値向上に不可欠な重要プラットフォームと位置づけており、次世代のホンダ コネクト開発では「もっとつながる」、「パーソナルアシスタント」、「アップデートを通じて常に愛車が成長する」の3つを進化ビジョンのコンセプトに掲げており、ハイネックス モビリティ サービスの設立はこれが背景にある。

 

 

 今回の合弁パートナーであるニューソフト リーチは、ソフトウエアにおける強みをベースに、AIやビッグデータなどの新たな技術を融合させて新価値を提供していこうとする企業。同社はICV、自動運転、電動車パワートレーン、モビリティサービスおよび、コネクテッドサイバーセキュリティ領域など、次世代自動車に向けたインテリジェントな商品、技術、サービスおよびソリューション全般の提供に取り組んでいる。

 

従って本田技研工業が中国において、コネクテッドサービスをスピーディーかつ高価値を維持し、提供していくためには不可欠な現地協業パートナーだとしている。

 

 両社は双方の持つ強みやリソースを活用し、次世代のコネクテッドサービス事業の戦略を立案。併せてビッグデータやAIの活用も加えてより優れたモビリティサービスの実現を目指していくのだという。

 

具体的に、本田技研工業(中国)投資有限公司・総経理の井上 勝史氏は「Neusoft Reachとの戦略的なパートナーシップのもと、次世代コネクテッドサービスに向けた進化を加速できることを大変うれしく思います。

 

Hondaは、すべての人に『生活の可能性が拡がる喜び』を提供するというグローバルビジョンに基づき、中国における『移動』と『暮らし』の価値創造によってFUNTEC WORLDを実現してきました。

 

その過程で、Neusoft Reachとはこれまでにも電気自動車の研究開発や、モビリティシェアリングなどの分野で、良好な協業基盤を築いています。今回新たに、次世代コネクテッドサービスの分野でも協業し、お互いの強みを活かして、FUNに溢れたモビリティ新価値の創造を加速します」と語っている。

 

 

一方でNeusoft Corporation 総裁・Neusoft Reach董事長となる王 勇峰氏は「Neusoft Reachは設立以来、〝ソフトウエアを通じてクルマに新価値を提供する〟という目標のもと、自動車産業技術にイノベーションと変革を起こしてきました。

 

また数年来、Neusoft Reachは、電気自動車の開発やモビリティシェアリング事業、今回のコネクテッドサービス事業に至るまで、様々な分野でHondaとの協業を深化させてきました。今後Neusoft Reachは、コネクテッドサービスのソフトウエア研究開発における強みを発揮し、Hondaと共に、さらなる移動の可能性を広げて参ります」と結んでいる。

 

ハイネックス モビリティ サービスの概要
英語/会社名:Hynex Mobility Service Co., Ltd.
中国語/会社名:海纳新思智行服務有限公司
会社住所:中国 遼寧省 大連市
会社役員:
董事長:井上 勝史(いのうえ かつし)
副董事長:王 勇峰(ワン ヨンフォン)
総経理:翟 海濤(ジャイ ハイトウ)
執行副総経理:林部 直樹(はやしべ なおき)
資本金:3億人民元
出資比率:
本田技研工業(中国)投資有限公司 51%
Neusoft Reach Automotive Technology(Shanghai)Co., Ltd. 49%

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。