NEXT MOBILITY

MENU

2019年8月14日【トピックス】

ホンダ、アルゼンチンで4輪車生産を終了し2輪車生産に注力

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

同措置は同国の輸入関税策や通貨の不安定化に伴う販売量低下などを前提に、生産コスト(部品調達率)の最適化を行った結果と見られる

 

本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、社長:八郷隆弘)の現地法人、ホンダモトール・デ・アルヘンティーナ・エス・エー(Honda Motor de Argentina S.A./ホンダサウスアメリカ傘下、本社:ブエノスアイレス州カンパーナ、社長:齊藤 誠二、以下 HAR)は8月14日、四輪車(HR−V)の現地生産を2020年中に終了。以降二輪車生産に集中すると発表した。(坂上 賢治)

 

本田技研工業は、先の2月の英国並びトルコ工場の閉鎖決定を筆頭に、グローバル環境下で四輪車生産の配置転換と生産能力の適正化を推し進めている。

 

 

そんな同社によると上記方針に伴い、南米地域での適正な生産体制を検討し、HARでのHR−Vの生産終了を決めたとしている。

 

この結果、四輪車生産を行ってきた当地のカンパーナ工場は、先の通り二輪車の生産に集中。アルゼンチン二輪車市場のマーケットリーダーとして、競争力のある商品を自国内市場に投入していく体制となる見込み。なお4輪車の提供に関しては、国外からの導入に切り替え、当地での四輪車販売とアフターセールス事業は継続する。

 

ちなみにHARは、今年1月に現地マーケットに向けて新型HR−Vを投入。同年3月には、現地に於ける部品調達拡大を目的に1億2000万ペソ(約2億2900万円)の投資を発表していた。この投資は2輪車生産強化継続を目的としており、当地の輸入関税に関わる法令適用に沿ったものとされていた。

 

当時HARはカンパーナ工場で7つの2輪車を生産。そのうちの3車種(トルネード、CG150、Wave)は、現地からの部品調達率が高く、以降XR150とXR190などの部品調達コストについても同様の最適化を目指すと述べていた。

 

 

ホンダモトール・デ・アルヘンティーナ・エス・エー概要
設立:1978年8月
所在地:アルゼンチン・ブエノスアイレス州カンパーナ市
資本金:9億8,600万アルゼンチンペソ
出資比率:本田技研工業株式会社4.51%、Honda South America Ltda. 96.49%
代表者:齊藤 誠二 (さいとう せいじ)
事業内容:二輪車、四輪車の完成車生産および二輪車、四輪車、パワープロダクツ製品の販売
従業員:約1,000名
生産開始:2006年(二輪車)2011年(四輪車)
主な生産機種
Weve、CG150、XR150L(二輪車)HR−V(四輪車

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。