Hondaカーズ東総は4月28日、ハヤシ工務店の協力得て千葉県匝瑳市に日本初の国産木材のみを使用したCLT工法の木造カーショールーム(平家建て、総敷地面積:5560.62㎡、総延床面積:1061.67㎡)を建設した。
1.経緯
2021年10月1日より「脱炭素社会の実現に資するための建築物等に於ける木材の利用の促進に関する法律」が施行され、木造による中大規模建築が注目を集めている。またSDGs(継続可能な開発目標)への貢献という視点からも、座礁資産といわれるセメントや鉄ではなく、建材(マテリアル)として木材を使用することでサスティナブルな社会の実現に大きく寄与できる。
建物への木材の利用は、快適な空間の形成や生産性の向上、建物への愛着心の向上に加えSDGsへの貢献、ESG投資の誘引、社会的評価の向上といった経済的な効果が期待できる。しかし現段階では、広く一般的な取組には至っていない。
そうしたなかでショールームの建て替えを検討していたホンダカーズ東総Honda Cars事業部(本社:千葉県旭市、代表取締役:加瀬 一幸)と、住宅以外へ建材としての木材利用を模索してきたハヤシ工務店との意向が合致し、令和5年度林野庁補助事業 CLT活用建築物等実証事業の採択を受け、日本初となるCLT工法による木造カーショールームを建築するに至った。
2.CLT工法採用の背景
CLT とはCross Laminated Timber の略称で、ひき板を並べた層を、縦横交互に重ねて接着した大判パネル材を使った工法です。CLT パネルは耐火・耐震性にも優れて、コンクリート並みの強さを実現しており、鉄骨・RC造に加え新しい工法として世界的に注目されている。
CLT 建築は一般的な木造住宅に比べ、設計段階から組み立てまで、高い技術が必要とされ、ハヤシ工務店では社内の建築士と高度な技術を持つ自社大工で対応した。
また、今回の建物で使用するのはLC-core 構法という構法で、一般的なCLT 建築に比べ、構造体におけるCLT の使用量が約半分になる。よってコスト面でも大きなメリットが見込める。
ちなみに、このLC-core 構法での建築については、日本CLT技術研究所への加盟が必要であり、独自のノウハウや建築技術が求められることから、現在では限られた企業での対応となっている(日本CLT 技術研究所調べ)。
その他にも、CLT 建築では以下のようなメリットがあるという
<CLT 建築のメリット>
・明るく開放感のあるデザイン
・自然を感じられる木質空間
・安心安全の空間
・SDGs の推進
・地域循環型社会の実現
・解体時のコスト減と木材の再利用を実現
物件概要
名称:Hondaカーズ東総 匝瑳店
所在地:千葉県匝瑳市
敷地面積:5560.62㎡
建築面積:1116.44㎡
延床面積:1061.67㎡
構造・規模:CLT工法・平屋建て
建物用途:自動車販売店舗
事業主:株式会社ホンダカーズ東総
設計:栗本建築設計監理事務所
施工:株式会社ハヤシ工務店
株式会社ホンダカーズ東総
千葉県東部を中心に事業を展開している正規Hondaディーラーカンパニー
銚子松岸店・香取51号店・旭126号店・匝瑳店・成田空港通り店・佐倉王子台店・富里店・U-Select旭・イオンモール銚子ショールーム、ホンダグロス千葉 旭センター
関連子会社:Jネットレンタカー 成田店、旭店
株式会社ハヤシ工務店
店舗所在地
旭 店:千葉県旭市三川12156-1
東金店:千葉県東金市家之子481-13
代表者:代表取締役社⾧ 林 和義
事業内容 :住宅・非住宅などの設計施工(木造・鉄骨造)に関する業務、損害保険代理店に関する業務