本田技研工業傘下の米現地法人アメリカン・ホンダモーターは9月28日(米国西海岸時)、2024年年初頭に北米での発売を予定している新型EV「PROLOGUE(プロローグ)」を発表した。
同社は2040年までにEV・FCEV販売比率をグローバルで100%とする目標を掲げ、各地域の市場特性に合わせたEVの投入を進めている。そうしたなかでプロローグは、その名前通り、北米でのEV展開の幕開けとなるクルマで、ゼネラルモーターズ(GM)の「Ultium(アルティウム)」バッテリーを搭載したGMとの共同開発モデルでもある。
車体としては「Neo-Rugged(ネオ ラギッド)」がコンセプト。シンプルで洗練されたデザインイメージを残しつつ、ワイルドを訴求するアウトドアスタイルを目指した。そのエクステリアデザインは、ロー&ワイドなシルエットとし、最上位グレードには21インチの大型ホイールを採用してSUVらしい力強さと打ち出している。
インテリアは、上質感を与える素材を用いて、ホンダ流の水平基調を活かしてシンプルに仕上げた。ドライビング・インターフェースには、11インチのデジタルメーターパネルと、直感的に操作できる11.3インチのタッチスクリーンを採用。
最上位グレードには、スムーズな視線移動で確認できるよう7×3インチのヘッドアップディスプレーも採用し、運転支援に係る様々な情報を示せるようにした。
一方、コネクティビティー機能では、車内に於けるシームレスなデジタルサービスの提供を目指した。具体的には車載向けコネクテッドサービス「Google built-in(グーグル ビルトイン)」を標準装備したこでGoogleアシスタント並びに、Googleマップ、Google Playなどが使用できるようにした。ソフトウェアはOTA(Over the Air)により一部機能や性能のアップデートができる。
予防安全・衝突安全面では、先進安全運転支援システムとして「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を標準装備。これにより米国の安全性能評価試験で、米国道路安全保険協会(IIHS:Insurance Institute for Highway Safety)の最高評価トップセーフティーピック+、米国高速道路交通安全局(NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration)の最高評価の5つ星の獲得を目標に開発した。
走行性能と航続距離・充電性能については、まず走行性能ではフロントとリアにプロローグ専用に最適化したマルチリンク式のサスペンションを採用。顧客ニーズに応えてシングルモーター(FWD)とデュアルモーター(AWD)の両仕様を設定した。特に最高出力約288hp、最大トルク約333lb.-ft.を発生するデュアルモーター仕様は、パワフルな加速感が得られる。
航続距離では、85kWhのバッテリーを搭載したことでEPA(米国環境保護庁)が定める基準で300マイル(約482km)以上を目指した。またDC急速充電では150kW以上の高出力充電にも対応し、約10分で航続距離65マイル(約104km)相当の充電ができる。
なおホンダは北米で、自動車メーカー7社でEV用高出力充電網を構築する合弁会社の設立に合意している。更に2025年からは、北米で販売するEVの充電ポートに北米充電規格(North American Charging Standard以下、NACS)を採用することでNACSを展開するTesla, Inc.と合意済みだ。
そこでプロローグではCCS(Combined Charging System)用充電ポートを採用しているものの、2025年以降、充電アダプターを用いることでNACSにも対応できるよう開発を進めている。
最後に同車は、東京ビッグサイトで開催のJAPAN MOBILITY SHOW 2023(プレスデー:10月25日~26日、一般公開日:10月28日~11月5日)で展示される予定だ。