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2023年9月29日【新型車】

ホンダ、北米向け新型EV〝プロローグ〟を発表

坂上 賢治

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本田技研工業傘下の米現地法人アメリカン・ホンダモーターは9月28日(米国西海岸時)、2024年年初頭に北米での発売を予定している新型EV「PROLOGUE(プロローグ)」を発表した。

 

同社は2040年までにEV・FCEV販売比率をグローバルで100%とする目標を掲げ、各地域の市場特性に合わせたEVの投入を進めている。そうしたなかでプロローグは、その名前通り、北米でのEV展開の幕開けとなるクルマで、ゼネラルモーターズ(GM)の「Ultium(アルティウム)」バッテリーを搭載したGMとの共同開発モデルでもある。

 

 

車体としては「Neo-Rugged(ネオ ラギッド)」がコンセプト。シンプルで洗練されたデザインイメージを残しつつ、ワイルドを訴求するアウトドアスタイルを目指した。そのエクステリアデザインは、ロー&ワイドなシルエットとし、最上位グレードには21インチの大型ホイールを採用してSUVらしい力強さと打ち出している。

 

インテリアは、上質感を与える素材を用いて、ホンダ流の水平基調を活かしてシンプルに仕上げた。ドライビング・インターフェースには、11インチのデジタルメーターパネルと、直感的に操作できる11.3インチのタッチスクリーンを採用。

 

 

最上位グレードには、スムーズな視線移動で確認できるよう7×3インチのヘッドアップディスプレーも採用し、運転支援に係る様々な情報を示せるようにした。

 

 

一方、コネクティビティー機能では、車内に於けるシームレスなデジタルサービスの提供を目指した。具体的には車載向けコネクテッドサービス「Google built-in(グーグル ビルトイン)」を標準装備したこでGoogleアシスタント並びに、Googleマップ、Google Playなどが使用できるようにした。ソフトウェアはOTA(Over the Air)により一部機能や性能のアップデートができる。

 

予防安全・衝突安全面では、先進安全運転支援システムとして「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を標準装備。これにより米国の安全性能評価試験で、米国道路安全保険協会(IIHS:Insurance Institute for Highway Safety)の最高評価トップセーフティーピック+、米国高速道路交通安全局(NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration)の最高評価の5つ星の獲得を目標に開発した。

 

走行性能と航続距離・充電性能については、まず走行性能ではフロントとリアにプロローグ専用に最適化したマルチリンク式のサスペンションを採用。顧客ニーズに応えてシングルモーター(FWD)とデュアルモーター(AWD)の両仕様を設定した。特に最高出力約288hp、最大トルク約333lb.-ft.を発生するデュアルモーター仕様は、パワフルな加速感が得られる。

 

 

航続距離では、85kWhのバッテリーを搭載したことでEPA(米国環境保護庁)が定める基準で300マイル(約482km)以上を目指した。またDC急速充電では150kW以上の高出力充電にも対応し、約10分で航続距離65マイル(約104km)相当の充電ができる。

 

なおホンダは北米で、自動車メーカー7社でEV用高出力充電網を構築する合弁会社の設立に合意している。更に2025年からは、北米で販売するEVの充電ポートに北米充電規格(North American Charging Standard以下、NACS)を採用することでNACSを展開するTesla, Inc.と合意済みだ。

 

 

そこでプロローグではCCS(Combined Charging System)用充電ポートを採用しているものの、2025年以降、充電アダプターを用いることでNACSにも対応できるよう開発を進めている。

 

最後に同車は、東京ビッグサイトで開催のJAPAN MOBILITY SHOW 2023(プレスデー:10月25日~26日、一般公開日:10月28日~11月5日)で展示される予定だ。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。