IBMとHondaは5月15日、将来的なSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の実現に向けて、処理能力や消費電力、半導体設計の複雑化などの課題を解決するべく、次世代半導体・ソフトウェア技術の長期的な共同研究開発に関する覚書を締結した。
2030年以降、社会全体で知能化/AI技術の活用が大きく加速し、モビリティに於いてもこれらを用いたSDVが主流になると見込まれている。SDVでは従来のモビリティに比べて、求められる処理能力や、それに伴う消費電力の飛躍的な高まりに加え、半導体設計の複雑化が予測される。
そこで両社はこれらの課題を解決し、競争力の高いSDVを実現するために、次世代の半導体やソフトウェア技術を自ら研究・開発する力を手に入れることが重要であるとの認識に基づき、覚書の締結に至った。
今回の覚書では、共同研究の可能性のある領域が示されており、具体的には、処理能力の飛躍的な向上と消費電力低減の両立を目指し、ブレインインスパイアードコンピューティング( 脳の構造と機能を模倣するコンピュータアーキテクチャとアルゴリズム )やチップレットなどの半導体技術の共同研究開発を検討する。
またソフトウェア技術については、ハードウェアとの協調最適化による製品の高性能化や、開発期間の短縮化を目指す。更に複雑化する半導体設計を適切に管理するためのオープンで柔軟なソフトウェアソリューションを検討していくという。