5月23日から5月25日、神奈川県のパシフィコ横浜で「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」が開催された。
期間中は、多くの企業が自社製品やサービスを展示する中、大手鉄鋼メーカーの日立金属のブースでは、同社が得意とするアルミ鋳物製で、今後の需要拡大が期待されるEV(電気自動車)対応製品が話題を呼んでいた。
まず、「EV用アルミ鋳物製バッテリーケース」は、厚さわずか5mmという薄さと大物一体成型を両立し、高剛性と高い気密性を図った製品だ。
2011年に海外で発売された「ルノー・カングー」のEV仕様「カングーZ.E.」(日本未導入)に採用された実績をもつこのバッテリーケース。
会場に展示されたサンプルのサイズは、
アッパーケース(写真下)が1,210☓800☓160mm、
ロアケース(写真下)が1,210☓800☓170mm
とかなり大きい。それでいて、前述の通り、肉薄だから大きさの割にかなり軽量なのだ。
また、収納するバッテリーや車種に応じて形状の成型ができるのも、形状自由度が高いアルミ鋳物の利点。加えて、放熱性や安全機構等を考慮した多機能設計が可能なことも魅力だ。
「EV用アルミ製水路回路付きモーターハウジング」もアルミ鋳物製。
ハウジング外側の形状はもちろん、内側にモーターを冷やすための厚さ5〜8mmも水路も設定。
全体的に複雑な形状を採用しながら一体成型とすることで、高い剛性と高効率を実現している。
これだけの大型サイズや形状自由度が高い製品をアルミ鋳物で作れるのは、専用設備を持つ同社の強み。今後EV市場が拡大していけば、これら同社製品の需要は確実に伸びていくはずだ。
そういった需要を見込んでいる同社では、他にもアルミ鋳物製EV用インバータケース等も開発中。アルミ鋳物製EV用部品の需要やニーズの行方に、今後も注目したい。