日立オートモティブシステムズ(日立AMS)は、7月26日、複数の先進運転支援システムの制御機能を統合する同社製ADAS ECUを、予防安全性能を向上し2018年5月より販売開始した三菱自動車の軽自動車「eKワゴン」「eKカスタム」「eKスペース」の3モデル(eKシリーズ)向けに供給していることを発表した。
ADASはAdvanced Driver Assistance System(先進運転支援システム)のことで、ECUはElectronic Control Unit(電子制御ユニット)を意味する。
同社が開発したADAS ECUは、
車間距離制御(ACC:Adaptive Cruise Control)システム
衝突被害軽減ブレーキ(AEB:Autonomous Emergency Braking)システム
車線逸脱警報(LDW:Lane Departure Warning)システム
など、複数の先進運転支援システムの制御機能を単一のコントローラーに統合するものだ(写真下)。
同社は、およそ40年にわたる市場実績を持つエンジンコントロールユニットの開発で培ってきている制御技術を生かし2007年にADAS ECUを開発。
2009年以降、多くの車種に搭載され、量産実績を積み重ねてきている。
今回の三菱自動車「eKシリーズ」への搭載は、そういったADAS ECUにおけるこれまでの市場実績が評価され決定されたものだ。
今回発売された三菱自動車「eKシリーズ」では、標準装備として、前方の車両や歩行者と衝突の危険があるときに警報や自動ブレーキで衝突被害を軽減、または衝突を回避する「衝突被害軽減ブレーキシステム」を採用。
さらに、従来の誤発進抑制機能(前進時)に加え、後退時作動および歩行者対応(前進時)を追加した「踏み間違い衝突防止アシスト」などの先進運転支援システムが全車に搭載されている。
これらの車両は、高齢運転者に向けて安全運転をサポートする先進技術を搭載したクルマとして、国が推奨する新しい自動車安全コンセプト「セーフティ・サポートカーS(サポカーS)ベーシック+」に該当している。
また、標準車の上級グレードでは、車線を逸脱しそうになるとドライバーにメーター内の警告灯と警報音で注意を促す「車線逸脱警報システム」も追加搭載されており、「サポカーS ワイド」に対応している。
同社では、これらのサポカーSの予防安全機能をADAS ECUの技術で支援。
今後も、こういった製品により。高齢者を含むドライバーによる交通事故および歩行者や自転車などの巻き込みの防止等への貢献を目指していく。