日野自動車は、大型観光バス「日野セレガ」を改良し、商用車世界初となる「ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)」の標準装備など安全性を向上させるとともに、ロングボデー車にAMT(機械式自動変速機)搭載車型を設定して7月2日に発売した。
今回採用されたEDSSとは、ドライバーに急病などの異常が発生した際、乗客や乗務員が非常ブレーキスイッチを押すことで、減速して停止するシステム。
ドライバー自身や添乗員が運転席の非常ブレーキスイッチ(写真下)を押すか、
乗客が客席上部に設置されたスイッチ(写真下)を押すことで、
車両が制動を開始し、徐々に速度を落とし停止する。
このとき、車内では非常ブザーが鳴るとともに赤色フラッシャーが点滅して(写真下)、緊急停止することを乗客に伝達。また、周囲に対しては、ホーンを鳴らし、ストップランプとハザードランプを点滅させ異常を知らせるようになっている。
ちなみに、システム作動時には、乗客向けICTサービス「HINO CONNECT」を通じて、乗客が設定した登録メールアドレスに対象車両・作動時刻・位置情報を通知。万一の際、乗客の迅速な対応をサポートすることで、より安心・安全な運行に貢献することができる。
ほかにも同モデルには、35~110km/hの範囲で最高速度を設定できる可変式スピードリミッターを標準装備するほか、緊急ロック式巻き取り装置であるELR付3点式シートベルト(写真下)を全客席に装備するオプションも設定する。
また、ロングボデー車には、変速機にAMT(機械式自動変速機)「Pro Shift」(プロシフト)も追加。ダイヤル式シフトレバーをインパネに、変速モードの変更やマニュアルシフト操作ができるシーケンシャルレバーをステアリングコラムに設置し、変速時の負担軽減を図っている。
価格は、消費税込みで34,705,800円〜49,048,200円だ。