日野自動車(以下、日野)は、9月18日、独・TRATON AG(以下、トレイトン)との戦略的パートナーシップについて発表。両社は電動車/電動技術における協力と調達ジョイントベンチャー会社の設立という2つの戦略的取り組みに向けて合意したことを明らかにした。
トレイトンは、2018年6月にフォルクスワーゲン トラック&バス(Volkswagen Truck & Bus GmbH)から社名変更したフォルクスワーゲンAGの商用車ブランドを統括する企業。
両社は2018年4月12日、顧客、社会、そして両社に恩恵をもたらす戦略的協力関係の構築に向けて合意。
その後、複数のワーキングチームを設置し、「既存・将来技術」および「調達」における協力可能性を追求、今回発表した戦略的取り組みの内容を策定し合意したものだ。
今回の両社が行った合意について、日野自動車の下義生 代表取締役社長はこう述べる。
「本年4月の合意以降、私達は数か月にわたって話し合いを重ねてきました。
そして、私はあらためて両社が『お客様に最高の価値を提供する』という共通の価値観を持っていることを確認しました。
今回、電動車/電動技術と調達領域において具体的な進捗がありましたことを大変嬉しく思っています。
会合を重ねるたびに、両社の信頼関係は深まっており、さらなる協力可能性に向けた活発な議論が行われています」。
一方、トレイトンのアンドレアス・レンシュラーCEOは、
「トレイトンと日野のパートナーシップは両社にとって競争力の源泉になります。
輸送領域における変化は激しいです。私達は力を合わせることで自ら輸送のあり方を変えていくことができます。
両社の協力関係の成果は具体的な形を見せ始めており、また継続的に新たな協力可能性を見出しています。
電動車/電動技術における協力と調達ジョイントベンチャーの設立に向けた協力は始まりにすぎません」
と語っている。
両社は今後、今回の合意により電動車/電動技術において、より短期間で開発成果と商品を共有していく方針。
日野は電動化において25年を超える歴史があり、世界一の市販済ハイブリッドトラック・バス台数を誇る。
また、2019年には日本で世界初のAI勾配先読みハイブリッド制御を採用した大型のハイブリッドトラックでsる日野プロフィア ハイブリッドを発売予定。
電動車/電動技術において、両社は補完的なパートナー関係にあり、トレイトンは大型、日野は中型・小型に強みがある。両社の強みを合わせることによって、双方のイノベーション力を高めることが今回の協力の目的のひとつだ。
また、新たに設立予定の調達ジョイントベンチャーは両社平等な権利のもと、調達相乗効果(シナジー)を高めるべく、小さな組織で効果的な運営を目指す。
同ジョイントベンチャーは両社の既存部品、および将来技術に関わる部品のグローバル調達による相乗効果(シナジー)を目的とする。
ジョイントベンチャーの設立に向けた覚書はすでに調印が行われ、今後は2019年後半の会社設立に向けた独占禁止法の事前相談が予定されている。