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2024年10月31日【新型車】

日野、BEVフルフラット路線バスを新発売

坂上 賢治

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安全の追求と、カーボンニュートラルの実現を目指す

 

日野自動車は10月31日、バッテリーEV(BEV)フルフラット路線バス「日野ブルーリボン(Blue Ribbon)Z(ズィー) EV」を発売した。

 

ブルーリボンは日野自動車が1951年から1975年まで。更に1982年以降から販売している大型バスの総称。ちなみに車名は社内公募で募られたとされる。今回の「ブルーリボンZ EV」は、バッテリーとモーターによる走行で排気ガス・CO2を排出しないゼロエミッションを実現したサ最新鋭の環境車両。低騒音・低振動のスムーズな走りは、乗員の快適性を向上させるだけではなくドライバーの運転疲労軽減にも寄与する。

 

 

高電圧バッテリー配置図

 

小型化したバッテリーは屋根上と最後部の座席下に分割収納した。またリヤアクスルの左右それぞれにモーターを内蔵した「ハブモーター付きドロップアクスル」を採用することで、最前部から最後席までステップがないバリアフリーのフルフラットフロアを実現した。結果、段差を気にすることなく全ての客席にアクセスが可能となった。

 

なお日野ブルーリボンZ EVは日野のグループ会社であるCUBE-LINXが提供し、商用電動車の導入・利用に関するワンストップサービス「エモぷらっと」が利用できる。これは車両運行にあたり必要な充電器や電力設備、工事手配の他、建物側と合わせた電力の視える化やCO2の削減などを包括的にサポートする。

 

車両の特長は以下の通り

 

1.フルフラットフロア
リヤアクスルの左右それぞれにモーターを内蔵した「ハブモーター付きドロップアクスル」を採用してフロアを低床化した。また高電圧バッテリーパックを車両の屋根上と最後部の座席下に分散して配置することで、フロアレイアウトの自由度を高め、最後部席まで段差のないバリアフリー化を実現している。

 

フルフラットフロア

 

2.航続距離
ディーゼルエンジンモデルの「日野ブルーリボン」と同等の動力性能を確保しながら、路線バスで使用される航続距離をカバーした(外気温、冷暖房の使用、乗車人数などの影響により短くなる)。バッテリー充電は国内主流の350Vで充電できる高電圧バッテリーを採用し、3.2時間(急速充電<CHAdeMO Ver1.0> 外気温20℃・充電出力50kwの場合)で20%の残量から80%まで充電が可能としている。

 

3.外部給電
日野ブルーリボン Z EVと、電力を取り出す外部給電器(別売)を接続することで家庭用電源として使用可能になり、災害などによる非常時には救援車として電力供給を行うことができる。(V2L機能<Vehicle to Loadの略称>)

 

4.安全機能
事故の抑制に貢献するフロントブラインドスポットモニター(自車速10km/h以下、歩行者3~5km/h 自転車3~10km/hで作動)を装備し、死角になり易い車両直前の歩行者や自転車を検知し、自車と近づくと警告表示でドライバーに注意喚起を行う。また衝突の可能性があると判断した場合、警告表示に加え、シートバイブレーターで注意を促す。なおEDSS(Emergency Driving Stop System/ドライバー異常時対応システム)による緊急停車時には、電動パーキングブレーキが自動で作動する機能を採用し、坂路などでの緊急停車時の安全性が向上させている。

 

「日野ブルーリボン Z EV」 代表車型(都市型)
型式 :ZAC-KV828L1
全長×全幅×全高 :10545×2485×3330 (mm)
ホイールベース :4990 (mm)
最小回転半径 :7900 (mm)
乗員 :70人
モーター 種類 :交流誘導電動機
最高出力 :250(kW)
バッテリー :リチウムイオンバッテリー
充電方式 :急速充電(CHAdeMO方式)
一充電走行距離 :360km(国交省審査値)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。