日野自動車は2月16日、2021年6月に公表した小型EVバス「日野ポンチョZ(ズィー) EV」の発売を凍結すると発表した。
「日野ポンチョZ EV」は、ユニバーサルデザインとコミュニティバスに最適なパッケージングというポンチョのコンセプトを踏襲した外観を維持しつつ、BEV(バッテリー式電気自動車)化。住宅街のような狭い道でも小回りの利く高い機動性等から、コミュニティバスとして十分な航続距離も確保したモデルであると謳われていた。
そんな日野ポンチョZ EVは、BYDからOEM供給を受けて、日野が自社ブランド車として販売するとしていた製品だ。ゆえに基礎的なハードウエアとしてはBYDの〝J6〟がベースとなっている。従って、内燃エンジンを搭載したオリジナルのポンチョよりも車幅が10mm程度大きい。
公表されていた仕様は、モーターの最大出力が161kWで、乗車定員は約30人。車両総重量が約8000キログラム。105kWhのバッテリー容量を備え、CHAdeMO(チャデモ)の急速充電に対応など。
ちなみに小型電気バスの日本国内市場に於ける普及状況では、中国やトルコなどを含む国内外の自動車メーカーが競って市場投入を急ぐ中、車両調達側のバス事業者間では、導入に積極姿勢を示すところがある一方で、アフターサービス体制等を考え、二の足を踏むところなどの温度差がある。
なお日野は、この小型電気バス「ポンチョZ EV」のリリースに関して昨年来より発売延期としていたのだが、その当初に於いてはBEVに対する輸送事業者からの強い要請に出来る限り素早く応えるため、自社による車両開発・生産も並行して進めつつ、OEMからも小型電気バスの商品化を考慮していくとしていた。
主要諸元 (参考値)
– 全長×全幅×全高:6,990×2,090×3,060 [mm]
– 車両総重量:約8,000 [kg]
– 乗員:約30人(シートレイアウトにより異なる)
– バッテリー:種類 リチウムイオンバッテリー / 容量 105 [kWh]
– モーター:最大出力161 [kW]
– 充電方法:急速充電(CHAdeMO方式)