日野自動車は2月3日、4月からカタログ等への記載が求められる新たな燃費試験法(JH25モード)に基づく燃費値の表示について、その対応が遅れる見込みであることを発表した。対応の遅れは、トヨタブランドの小型トラック「トヨタ・ダイナ」の一部仕様(※1)および、いすゞブランドのバス「ガーラ(A05C尿素SCRエンジン搭載車)」「ガーラ・ミオ」「エルガ ハイブリッド」(※2)にも及ぶ見込みであると云う。
なお、今回の燃費表示の変更は、車両自体の変更を伴うものではないため、保安基準適否および、実際の燃費性能や安全性に影響はないとのこと。
2025年度からの次期重量車燃費基準に先立ち、4月1日以降に出荷する車両については、JH25モードで試験した燃費値を申請し認可を得た上で、カタログ等に記載する必要があるが、日野では、エンジン認証不正問題の対応による開発スケジュールの変更等により、JH25モードでの燃費測定および申請業務に遅れが生じていると云う。
日野は、この件に関し、経済産業省および国土交通省へ相談。3日、両省より、エネルギー使用の合理化等に関する法律に基づく報告を求められると共に、先ずはJH25モードでの燃費表示に向けた対応を急ぐことや、それでも表示が間に合わないものについては、その対応が完了するまでの間は、購入客の混乱の回避に尽力するよう指導を受けたと云う。
日野は今後、速やかにJH25モードでの燃費表示に向けた対応を進め、各車種に於いては、9月頃を目処に順次対応を終了。それまでの間は、現行の重量車モードの燃費表示である旨をカタログ等に明記し、購入客に誤解のないよう努めると共に、取引先に対しても混乱のないよう丁寧な対応を徹底していくとしている。
※1:日野からのOEM受給車。
※2:日野製エンジン搭載。いすゞ自動車との合弁会社ジェイ・バスで製造。
[対象車種]
・大型トラック:「日野プロフィア」(A09Cエンジン搭載車)。
・中型トラック:「日野レンジャー」(A05C尿素SCRエンジン搭載車)。
・小型トラック:「日野デュトロ」。
・大型観光バス:「日野セレガ」(A05C尿素SCRエンジン搭載車)。
・大型路線バス:「日野ブルーリボン ハイブリッド」。
・中型バス:「日野メルファ」。
・小型バス:「日野ポンチョ」。
■(経産省)エネルギー消費効率(燃費値)の新たな表示への切替えに関し、日野自動車株式会社に報告を求めました(2月3日付ニュースリリース):https://www.meti.go.jp/press/2022/02/20230203002/20230203002.html
■(国交省)エネルギー消費効率(燃費値)の新たな表示への切替えに関し、日野自動車株式会社に報告を求めました(2月3日付ニュースリリース):https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000278.html