日野自動車(以下 日野)は4月27日、REE Automotive Ltd.(以下「REE」)と、両社が共有する「次世代商用モビリティを通じた社会への新たな価値提供」というビジョンの実現に向けた業務提携契約の締結を発表した。
REEは、イスラエルの電動モビリティの革新企業。REEの「イノベーティブで高い競争力を持つ独自のEV技術”REEcornerTM”」に日野の「商用車メーカーとしてお客様に寄り添い課題解決してきた知見・技術」を掛け合わせ、次世代商用モビリティによるソリューションを通じた新たな価値の創造に取り組むとしている。
東京モーターショー2019「FlatFormer」 / REEcornerTM
両社が共創するソリューションの基軸となる次世代商用モビリティは、モジュール構造となっており、REEのEVプラットフォームを採用した動力部分(シャシモジュール)と、用途に応じて最適に設計された荷室空間(サービスモジュール)で構成されている。
人や物、そしてサービスを運ぶサービスモジュールは、顧客のニーズに合わせた様々な提案を可能とし、モビリティ起点のデータを組み合わせることによって社会に新たな価値を提供する。また、サービスモジュールは、シャシモジュールから簡単に脱着することができ、独立したユニットとして物やサービスを届ける一方、シャシモジュールは単独で稼働して他のサービスモジュールの動力として活用することができる。
MaaS (Mobility as a Service)やラストワンマイル物流での活用はもちろんのこと、このモジュール構造により全く新しい提案ができるとし、まずは2022年度までにハードのプロトタイプを開発し、並行してビジネスモデルの検討・実証実験を進めるという。
日野の下社長は、「今回の協業は2019年の東京モーターショーで日野が提案した『FlatFormer』コンセプトが起点となっています。大きな反響をいただいたこのコンセプトが、さらに実現に近づくことを私自身が大変嬉しく思っています。ビジョナリーな企業であるREEとの協業は、将来の社会のありかたと調和する、商用モビリティの新たな価値創造に挑む大きな力になるものと信じています」と語っている。
REEのダニエルCEOは、「2019年の東京モーターショーで示された『FlatFormer』は、未来の電動モビリティのターニングポイントであったと確信しており、日野の先見性のあるチームとのエキサイティングなパートナーシップのきっかけでした。今回のパートナーシップは、革新的な次世代商用EVの開発・提供により世界中の人々の生活の質を向上させるという、共通の使命を果たすためのまたとない機会だと考えています」と語った。
両社は今後、志を同じくするパートナーとともにオープンに取り組み、新たな価値を創造し社会に提供していくことを目指すとコメントしている。