2020年3月期はトヨタからの受託車両減少に伴い減収予想だが、日野事業では増収増益を目指す
日野自動車は4月25日、2019年3月期連結決算(日本基準)の発表会見を東京都内で開いた。それによると2018年度(18年4月~19年3月)は初のグローバル販売台数20万台越えを達成し、過去最高の売上高となるなど増収増益となった。
2020年3月期も日野事業は進捗、拡大を予想するが、トヨタからの受託分が減少するのに伴い減収を見込む。会見した下義生社長は昨年10月に発表したチャレンジ2025に基づき「引き続き、着実に事業基盤を強化を推進し、25年度には年販30万台を達成したい」と述べた。
19年3月期連結決算の売上高は1兆9813億円で前期比7・8%増、営業利益は867億円で同7・9%増、当期純利益は549億円で同6・9%増となった。グローバル販売台数は同8・7%増の20万3154台。
特にインドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンの主要5カ国を中心にアジア地域の車両販売台数が8万2028台、同12・4増と好調だったほか、日本、北米、中南米でも過去最高の販売台数を達成。これにより新興国通貨の為替差損などの減益要因があったものの、原価低減活動とともに、マイナス分をカバーし、増益につなげた。
2020年3月期は、売上高1兆9600億円、営業利益900億円、当期純利益560億円を見込む。海外で前期比6・3%増の14万台、日本で同3・5%減の6万9千台と合計で同2・9%増の20万9千台の車両販売を計画する。半面で、トヨタ向け(インドネシア向けダイナを含む)は、13万7千7百台と同9・8%の減少を見込んでいる。このトヨタ向けのマイナスが響き、減収予想となったが、日野単体の事業では「増収増益の予想」とした。
また、課題に収益力向上を掲げ、トータルサポート強化や徹底した原価低減を推進し、「稼ぐ力」を高める考え。国内では前年度に続き主要販売会社の拠点リニューアルを進めていくほか、新型デュトロ投入にあわせICTを活用したコネクテッド・サービス「HINO CONNECT」を今年5月から全社で展開する。
北米では、販社の専売化やテレマティックスの本格的な活用を開始し、リアルな走行距離に基づく定期メンテナンス自動入庫案内を進める。原価低減ではすべての領域で活動を推進し、2019年度200億円の削減を目指す。(佃モビリティ総研・松下 次男)