HAKKI AFRICAは11月30日、アフリカ全土で急激に台数を伸ばす物流・タクシーサービスに従事するドライバー向けに事業用自動車購入のファイナンスを提供開始することを発表した。同社は、ケニア・ナイロビで小規模事業者向けのマイクロファイナンス(小口融資)事業を行っており、今回その対象を拡大する。
「払っても自分のものにならない」を解決
アフリカでタクシーサービスに従事する個人ドライバーの多くが自分の車を持っておらず、現地の富裕層から車をレンタルする形でドライバーとして収入を得ている。そのレンタル料は平均で週に7,000~10,000Ksh(ケニア・シリング/1Ksh≒1円)ほどで、年に換算すると336,000~480,000Kshにもなる。
中古車1台を購入できるほどのレンタル料を毎年払っても、車を借り続ける限り、支払いに終わりはない。日々のタクシー業の収入からレンタル料を払い続けるため、貯金ができず、自動車購入のローンの頭金を払うことができないため、与信審査にも通らない。しかし、車を借りなければタクシー業が継続できず収入源が断たれてしまうというジレンマに多くのドライバーが陥っている。
この社会課題に対して同社は、Techを最大限に活用したソリューションを提供する。
低金利×与信不要
これまで自動車ディーラーや現地銀行が「信用情報がない、足りない」としてローン提供を避けてきた個人ドライバーに対してファイナンスを提供するにあたり、HAKKI AFRICAが活用するのが、タクシーサービスアプリの評価やサービス履歴、GPS追跡、ドライブレコーダーデータを活用した独自の信用スコアリングシステム。
顧客をタクシーサービスアプリ(Uber, Boltなど)の高評価ドライバーに限定し、これまでのサービス履歴から支払い能力を信用スコアとして試算し、限度額を設定する。そのため、従来の銀行口座・クレジットカード履歴などを用いた与信審査は必要ない。
また、同社はマイクロファイナンス事業の知見を活かし、Safaricom社のAPIを利用した自動記帳、自動審査を行うことで、周辺地域で最安金利を実現している。
日本をはじめ先進国の自動車市場が、所有から利用への舵を切り、カーシェアやカーリースが存在感を強めている現在でも、アフリカでは自動車所有は重要な資産形成であり、人生最大の買い物だ。
また、電車やバスなど公共交通機関が普及しきっていないことから、物流と人の移動の両面で、自動車の存在感は大きく、自動車が仕事を生み、自動車が収入を生むと言っても過言ではない。
HAKKI AFRICAは、誠実に毎日働く個人ドライバーが、自分の車を持てる社会の実現を目指している。
■HAKKI AFRICA