新型クロスオーバーSUV「キャデラック XT6 プラチナム」を紹介するGMジャパン若松格社長。
新車発表会は、日の出ふ頭の新施設「Hi-NODE(ハイノード)」で開かれた。
ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン、若松格社長、東京都品川区)は12月3日、新型クロスオーバーSUV「キャデラック XT6 プラチナム」を2020年1月1日から発売すると発表した。東京都内で開いた新車発表会で若松社長はXT6の導入により「キャデラックのSUVシリーズが充実する」と述べ、日本市場で販売攻勢をかける考えを示した。また、待望のコンパクトサイズSUVのキャデラックXT4を「来年、日本に投入する」ことを明らかにした。(佃モビリティ総研・松下 次男)
2019年のデトロイトで発表した最新デザイン、安全テクノロジーを備えたSUV
XT6は2019年のデトロイトモーターショーで発表した6人乗り3列シートのクロスオーバーSUV。同ショーで公開した次世代に向けて進化していくキャデラックSUVデザインの方向性を採用したほか、優れたユーティリティと最新の安全装備を備える。
日本でもここへきてグローバル市場と同様に新車販売に占める車種構成でSUVシフトが顕著になっており、日本車メーカーや欧州系メーカーからもSUVの市場投入が相次ぐ。これに対し、若松社長は「アメリカンラグジュアリーSUVは米国で誕生した。その中で、キャデラックは先頭を走っている」と強調し、拡販に自信を示した。
新たに日本に投入するXT6は、3・6リッターV6エンジンに、新設計の9速オートマチックトランスミッションを搭載し、スムーズで軽やかな走りを実現。また、常に最適な夜間の視界を確保するインテリジェント・マトリックスLEDヘッドランプやキャデラックの最新の安全装備を標準搭載する。
ユーティリティも充実。2列目キャプテンシートの間を通って気軽に3列目シートに乗り込むことができるなど、クラストップクラスのインテリアスペースを確保しているのが最大の強みだ。
日本でSUVのラインナップを充実、「キャデラック XT4」も来年に日本に投入へ
今回のXT6が加わることにより、GMジャパンは5人乗りのミドルサイズラグジュアリーSUV「キャデラック XT5」、キャデラックSUVのフラッグシップである7人乗りの「キャデラック エスカレード」の既存車種とあわせて、キャデラックSUVシリーズが一段と充実する。
また、XT5についてもニューモデル投入後2年を経過したのを機に、装備を大幅に拡充、進化させた新型モデルの「キャデラック XT5 プレミアム」「キャデラック XT5 プラチナム スポーツ」を2020年1月1日から発売する。
若松社長は新車発表会でキャデラックが加速させているSUV戦略が米国で好成果を発揮しているとし、さらに2022年に向け半年ごとにてEV(電気自動車)を含めた新モデルを投入する方針と強調。XT6ついては米国で新規ユーザーが約6割となっているほか、年齢層も35歳~50歳の層の購入が最も高く「若返りを実現している」と分析した。
日本でもSUVシフトに伴い販売拡大の手ごたえが出つつあるとし、新型XT6、XT5を投入する2020年の日本販売に期待を寄せる。さらに米国ではXT6より先に発売開始し、2020年に日本投入を目指すコンパクトサイズSUVのXT4について「今までキャデラックが入っていなかったカテゴリー。新たな領域へのチャレンジ―だ」と期待感をにじませた。
さらにキャデラックが計画する半年ごとの新モデルも順次、日本投入を検討する考えを表明。この段階でキャデラックの右ハンドル車が設定される可能性も示唆した。キャデラックXT6のメーカー希望小売価格は870万円(税込み)。また、ナイトビジョンを装備した6人乗り新型クロスオーバーSUVデビュー記念の限定モデル(国内販売は30台)を同時に販売、メーカー希望小売価格は910万円(同)。