GLM(本社:京都市伏見区、代表取締役:ジュリアン・アレクサンダー・カー)は10月29日、シニア世代向けモビリティのコンセプトモデルを発表した。2022年内の市販化を目指して開発を進めている。
ますます進む日本の高齢化社会において、シニア世代のドライバーによる凄惨な自動車事故は社会問題となっており、運転免許証の自主返納を促す動きも活発になっている一方、移動手段を失ったシニア世代に対し活発な外出を促進するサポートが必要となることも大きな課題となっている。
このような社会情勢を踏まえ、電気自動車(EV)の開発・販売を行うGLMでは“自動車から乗り換えたくなるモビリティ”をコンセプトにシニア世代向け小型モビリティの開発に着手し、今回そのコンセプトモデルの発表に至った。
乗用車からシニアカーへのモビリティシフトを促す上での一つの障壁として“デザイン性の課題”に着目。活発で若々しいシニア世代が増えたことにより“ファッション性”を重視しデザイン面での向上を望む利用者が多く存在することから、“乗りたくなる”欲求を刺激するデザインコンセプトとした。
利用するシニア世代への優しさ、歩道で共存する歩行者への優しさを表現するべく、威圧感を与えない「球」をベースにしたデザイン
近年、シニア世代の運転免許証返納が社会的にも広く認知され、積極的な返納促進も行われるようになってきた。一方で、免許証の返納に対する手当は身分証明証の発行程度のもので、移動手段を失うことに対する手当や対価は一切ない。移動手段の損失は単に場所間の移動の機会を失うのみならず、運動機会の損失やコミュニケーション機会の減少など、シニア世代の生活上の様々なモチベーションに及ぼす営業は非常に大きい。
そういった生活への多大な影響があるにも関わらず、社会の風潮もあり2019年度の免許証返納者は75歳以上の運転者の返納が35万428件(同5万8,339件増)で58%を占め、75歳未満でも同12万1,293人増の25万594人と大幅に増え、総数では60万人に及び、その実に96%が65歳以上の高齢者となっている。またその数は2012年以降増加の一途にあり、高齢者数の増加に伴い今後ますます増加率も上昇していくものと予想される。
他方、電動車椅子の出荷台数はジョイスティック型とハンドル型を合わせて25,000台程度と、免許証返納後の移動手段ニーズへのアプローチについてはまだまだ課題を残している状況だ。
これからますます社会の高年齢化が進んでいくと同時に、今までの世代像には当てはまらないお洒落で若々しく活発なアクティブシニア世代がどんどん増えていくことは想像に難くない。そんな人々にも受け入れられるよう、GLMはシニアカーという既製概念や考え方をデザインから変え、誰もが“乗りたくなる”新しいモビリティーになるべくシニア世代向けモビリティの開発を進めている。