第2の基本要素は、グループ内の調整役としての任務を以前よりも精緻に分担することです。これにより、肯定的な意味で相互責任と相互依存の関係が高まり、その結果として協調性が促進されると同時に、意思決定とその実施に対する拘束力が強化されます。
この際、見直した経営構造上で最も重要なのは「subsidiarity(より小さい単位でものごとを進め、 できないことのみ大きな組織が補完する考え方)」の原則にあります。つまり今後は、現場に最も近く、可能な限り低い責任レベルに於いても素早い意思決定が行われるようになるということです。
我々フォルクスワーゲングループは今後、そうしたリーンなグループとなって力強くブランドを牽引する組織になっていくのです。そんな新たなリーダーシップの仕組みは、グループ内の業務が、より権限移譲されたものになることを意味しています。
これによって今後、グループの舵取りをする責任が、より分担されていくでしょう。そして個々グループと、その中核となるフォルクスワーゲンブランド上で、より新しくフレキシブルな経営の手法が生み出されるでしょう。
また2018年度の数字面の見通しですが、概ね明るい見通しをここに改めて表明いたします。それは年初の車両販売台数及び売上高が過去最高を記録したことに加え、第1四半期の業績も非常に良好で、今後に向けて期待が持てる状況になっているからです。
例えば今年の販売台数は、新記録となった昨年の数値をある程度上回ると予想しています。売上高も最大5%増加すると見込んでいます。総じてフォルクスワーゲングループは、営業利益率が6.5~7.5%の間になると予測しています。