それは役職のレベルに関わらず、常に私たちは、信頼でき、 正直で、誠実な人間でなければなりません。つまりフォルクスワーゲンという組織は常に真摯で正しい行動を示し、それを有言実行していかなければならないのです。また私たちが、事業の様々な場面に於いて、常に何をしているのかを、いつでも、世界のどこにいても、包み隠すこと無く説明できるようにしなければなりません。
そのためにも「建設的な異議を唱える文化“culture ofconstructive dissent”」は大変重要です。例えば私にとって、優れたコーポレートガバナンスというものは、責任を取ること、違法行為を罰することに加え、透明性を保ったコミュニケーションを取り続けることを意味します。
こうした事柄に対する一例について、米国の独立した監査人であるラリー D. トンプソン(Larry D. Thompson)が、我々フォルクスワーゲングループに対して、『コンプライアンス及びインテグリティ担当には、車両開発、製造、販売などと同等の事業上の経営権と重要性を与えるべき』だと要求しており、私は、この決定に同意します。
VWディース新CEO、ハンス・ディーター・ペッチュ監査役会会長と共に
これを踏まえ、今後フォルクスワーゲングループは、経営上の意思決定やその実行について、より迅速に、体系的かつ効率的に行動しなければなりませんが、それを言い換えれば、私たちはフォルクスワーゲングループを「動きが遅い巨大タンカー」から、「パワフルなスピードボートのように船団」に変えていかなければならないということです。
そこで私は、今後数か月間に亘ってそのための基盤を構築し、具体化させるべく、幾つかの基本的な経営要素を備えた新たな経営モデルの姿を目指していきます。
その新しい経営モデルの第1の基本要素は、顧客セグメントまたは製品の価格帯を踏まえて、当社のブランドを再編成することにあります。これにより、個々のブランドライン上での責任の所在をより明確化し、迅速で互いの相乗効果を備えた新たな組織になることを目指していく所存です。