我々フォルクスワーゲンは、未来に向けて、より正直で、よりオープンで、より誠実な企業にならなければなりません。言い換えれば、よき企業市民のお手本を示さねばならないということです。なぜなら今後、我々が経済的成功を永続的に継続させていくために、健全な企業文化を持っていることこそが未来を語れる企業として必要不可欠な要素であるからです。
そこで、まず私はグループ内に於ける組織の基礎を固めていくこと。これを最優先課題に据えています。なぜなら私たちの組織は、将来の発展に向けて、これまでとは異なる極めて堅牢な組織構造・信頼されるプロセス・透明かつ論理的なプログラムを必要としているからです。
そうしたなか最も重要なことは組織内の我々全員が何事に於いても正しく行動することです。それは規則を遵守して法律に従うことはもちろんのこと、常に確固たる価値観に基づく倫理に即した行動を行っていかなければなりません。
ゴーイングコンサーンであるべき企業グループという組織体は、将来永劫に渡って永続的に事業を継続していくなかで、時に倫理に反した行為や法令違反に鈍感になってしまうことがあります。それは経営上に於いて誤った方向を向いてしまうという経営上に於ける重大な過ちですが、我々、フォルクスワーゲングループは昨今、そのような過ちに近づいてしまう場面が多過ぎました。
従ってこのような状況をまず変えていくこと。それが取締役会のメンバーおよび私個人にとっての最も優先すべき課題です。今回、取締役会が包括的なプログラム“Together4Integrity”を立ち上げた理由は、 こうした喫緊の問題を、より迅速に改善するための方策でもあるのです。
加えて今後、特に社内の内部通報制度をさらに拡充していきます。併せてコンプライアンス体制とその整備をより一層強化し、これまで以上に組織を実直かつ緻密なものにしていきます。
VWグループの経営幹部と共に写真に収まる中央右のディース新CEO。なお持ち株会社のポルシェ・オートモービル・ホールディング(ポルシェSE)のマティアス・ミュラー戦略・企業開発担当取締役は退任した。
具体的な例としては、本来。我々が厳しく敷いた筈のコンプライアンスの原則に従って、サプライヤーとより緊密に連携していくことが挙げられます。この過程で組織構造と実施プロセスを、より良く改善するだけでなく、企業文化自体に倫理的行動規範を永続的に浸透させていくことに焦点をあてていきます。
特にこうした行動規範を遵守することについては、管理職が最も厳しくあたらなければなりません。管理職が自らを律し、従業員の模範とならなければなりません。