三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は7月22日、インドネシアに於いて小型電気トラック「eCanter」の販売を開始した。
より具体的には、MFTBCがインドネシアで発売した「eCanter」は、2023年の「第31回GAIKINDOインドネシア国際オートショー(GIIAS)」で初公開され、その後現地販売代理店のPT Krama Yudha Tiga Berlian Motors( KTB社)が、十数社の現地大手企業と共同で大規模な試験的導入を実施。
そして今回、郵船ロジスティクスのインドネシア法人「PT.Yusen Logistics Indonesia(YLID社)」へいよいよ小型EVトラック「eCanter」の初号車を納車した。これによりMFTBCは同国で量産型電気トラックをお客様に初めて導入した企業になった。
今回の実績についてKTB社の岡本大資社長は、「MFTBCはインドネシアにおける電気トラックのパイオニアであり、YLID社もインドネシアで最初のeCanterのユーザーとしてパイオニアになります」と述べた。
一方でYLID社の青山哲也社長は、「eCanterの導入により、当社の2050年までのネット・ゼロエミッション化目標の達成に一歩近づくことができます。eCanterの導入はインドネシアの物流業界全体にとって歴史的な一歩です。
私たちは、インドネシアの物流業界におけるカーボンニュートラルの目標達成に貢献するため、多くのお顧客様やステークホルダーの方々と協力していきます。当社はニーズに応じてeCanterの台数を増やしていく計画です」と語った。
そんなインドネシアは、東南アジア最大の経済大国であり2060年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を達成する目標を掲げ、自動車産業の電動化を加速させることを公約。同国ではバイクを包括した電動車が着実に増加している。
従って「eCanter」の充電は、顧客企業の物流拠点や、ジャカルタの大都市圏の公共充電ステーションで賄うことができる。そんなインドネシア向け「eCanter」は、容量83kWhのMサイズバッテリーを搭載した車両総重量(GVW)6トン、ホイールベース3.4メートルのモデルを展開しており、電動車ならではの高トルク性質により、より多くの荷物を力強く運ぶ当地の輸送ニーズに適しているという。