〝初代カングー〟が、仏・モブージュ工場から初出荷されてから25年。以来、同車は世界50か国で440万台以上が出荷・販売されたのだが、そのうちの400万台が、ここ仏・モブージュ工場で作られた。また残りのカングーは、南米市場向けにアルゼンチン工場で、やはり一貫して25年間生産され続けている。
そんなカングーは、ゆっくりと時間を掛けてモデルバリエーションを拡大。今や貨物輸送などのコマーシャルビークル用途に限らず、家族みんなで乗るクルマとしても、旅客輸送向けの送迎車両としても活躍。
フランス仕立ての独立式シートと、広い室内空間の恩恵を受けて、他国のクルマでは真似できない快適な乗り心地をもたらしているだけでなく、7シーターロングバージョンのグラン・カングーは、実に1024通りものシートアレンジが可能なクルマだと言われている。
先の通り仏・モブージュ工場では、カングーの内燃エンジン搭載車の他、100%ピュア電動モデルなど、ありとあらゆるカングーが生産されており、いずれのモデルも同じ工場の敷地内から世界に向けて出荷される。
さて、そんなカングーのなかでも電動モデルの「カングー E-TECH」の鍵を、先の12月14日にフランス郵便事業者のラ・ポストへ引き渡す特別贈呈式が行われた。というのは、このカングーが1997年の生産開始以降、400万台目のカングーとなったからだ。
ちなみにラ・ポストは、カングーの大口顧客のひとつで、初導入から1世紀以上に亘ってフランス国内の郵便配達にはカングーが使用されてきている。
また電動モビリティを取り扱うパイオニア的存在でもあるラ・ポストは、1904年から休むこと無く電気自動車を使い続けており、現在ではルノー製100%電動車の普及拡大に貢献してくれる重要パートナーでもあるし、電気自動車をフリートスタイルで活用してくれる世界的なリーダーでもあるのだ。
そんなラ・ポストは、1980年代にルノーエクスプレスの電気自動車導入プログラムに加わり、2011年からはカングー Z.E.をはじめとする電気自動車を最も多く保有する事業者となった。
加えてラ・ポストで郵便車として使われるカングーは、日本ユーザーにはなじみ深い黄色のボディカラー。この色が人気の日本にとっては黄色イコール「カングー」というほど象徴的なもの。実際2015年には「ラ・ポスト」というモデルが150台限定で日本に於いて販売されていた。
そんな郵便集配車としてのカングーについて、ルノーLCV部門上級副社長のハインツ・ユルゲン・レーヴ氏は、「ラ・ポストはルノーの長年の顧客であり、モブージュ工場で生産された400万台目のカングーの鍵の贈呈式を行えたのは大変光栄であり、両社の協力関係が100年以上も前から始まっていることも、我々としては大きな誇りと言えます。
またルノーとラ・ポストは、長きに亘って多くの価値観を共有しています。 というのは、どちらもフランスの国際的なモビリティ企業であり互いに顧客に向けて、革新的で持続可能なソリューションを提供することに尽力していかなければならない存在であります」と述べている。