極東開発工業は10月21日、ごみ収集車安全支援システム「KIES®(キース)」が、「2021年度グッドデザイン賞」を受賞したと発表した。
ごみ収集車による収集作業には、積込装置に人が巻き込まれるリスクが伴い、重傷・死亡事故につながることがあることから、その安全対策は重要な課題となっていた。
極東開発工業が2020年8月より発売しているごみ収集車安全支援システム「KIES®」は、高性能専用カメラ(バックアイカメラ兼用)と、独自のAI画像認識技術により「人」を高精度で検知。これにより、収集作業時の危険を察知して積込装置を自動停止させることで、より高度な安全性を、収集時の作業性を損ねることなく確保することを可能とする。
今回、審査委員会は、AIによって「人」自体を検知することを可能とし、誤検知の防止に加え、効率性の向上と確実性を実現した点や、市民のインフラと安全を、高い技術と発想で守ることを可能とした点などを高く評価している。
■ごみ収集車安全支援システム「KIES®」の特徴
1.高性能専用カメラと独自の AI 画像認識技術でエリア内の「人」を検知
「KIES」は、高性能専用カメラ(バックアイカメラ兼用)と独自のAI画像認識技術により、検知エリア内の「人」を把握して検知。そこで検知された「人」の手や頭などの身体の一部が危険エリアに進入することにより危険を察知し、積込装置を自動停止。これにより、万一の巻き込まれ事故リスクを低減する。
2.高精度な検知で、高い安全性と作業性を確保
周囲の環境(作業を行う場所・路面標示・写り込み等)や状況(収集物の種類・色・形状等)、明るさ(薄暗い早朝・夕方などの時間等)を問わず検知が可能。
また「人」全体を把握して検知を行うことから、収集物で手や腕が隠れていても検知する。
さらに、検知には特別な専用装備の必要がなく、雨具・帽子・フード・手袋・アクセサリーなどの装着品や、髪型・身長・体形等による影響も受けにくいため、誤検知による不必要な作動停止の大幅な抑制を実現した。
3.さらなる安全管理を実現する履歴保存機能と「K-DaSS®」とのシステム連携
「KIES」が危険を察知し作動した日時と画像(および入出力情報)の履歴を保存することができるほか、極東開発工業のIoT基盤を利用した車両管理支援システム「K-DaSS」のごみ収集車ユーザ向けアプリおよびWebと連携させることで、「KIES」が作動した日時および位置情報を車両管理者に通知。安全管理のさらなる徹底を可能とする。