極東開発工業は10月21日、「10t大型リヤダンプトラック耐摩耗鋼板(HARDOX)仕様」が、「2021年度グッドデザイン賞」を受賞したと発表した。
今回、審査委員会は、常識にとらわれない柔軟な設計思想で積載量を増やす解決策を見出した点や、高強度耐摩耗鋼板の採用によりスチフナ(強化柱)の削減と曲面を用いたボデーの一体化構造がデザイン性だけでなく工学的な点を高く評価した。
なおこの製品は、受賞対象製品の中でも、特に優れた100件として「グッドデザイン・ベスト 100」にも選出されている。
■10t 大型リヤダンプトラック耐摩耗鋼板(HARDOX)仕様の特徴
1.高強度と大幅な軽量化を両立
ダンプトラックに求められている輸送効率のアップと車両重量増への対応、またアフターメンテナンスの容易性といった「積載量(軽量化)と耐久性の確保」という相反するニーズに対して、2018年2月に発売し「2018年度グッドデザイン賞」を受賞した4トン車および、2019年5月に発売した7トン車と共通する、“剛から柔へ”の全く新しい設計思想を、大型リヤダンプトラックにおいて最適に効果が出るように深化させた。
高い硬度と靭性を併せ持ち、多くの実績を誇る耐摩耗鋼板「HARDOX」の採用とR(丸型)一体構造ボデーによって、耐摩耗性だけでなく、変形や亀裂の発生にも強い、より一層高強度なボデーとしている。
また、ホイストメカとボデー主桁の改良や、「HARDOX」の採用で強度を保ったまま板厚の薄肉化と補強部品の削減を可能としたことにより、架装物重量が従来機(シャシメーカー完成車)に比べ約500㎏と、大幅な軽量化を実現。これにより、効率の高い運搬と空荷状態での燃費向上に貢献し、環境性能も向上させている。
2.デザイン
サイドパネルおよびテールゲートをスチフナ(補強柱)レスとし、すっきりとしたデザインとしたことでボデー表面がフラットになり、ダンプ表示番号をはじめ、看板やステッカーなどの自由なデザインに対応。さらにボデー内は、デッキとサイドパネルを一体化した緩やかな曲面を持つ丸底デッキ形状とすることで、積荷の排出性と清掃性も向上した。