同社はこの事実を今年6月中旬に把握した。各工場に残る検証可能なデータを抽出。2013年4月~今年6月19日の間で、不正が行われている可能性があることがわかった。問題とされるのは、無資格者による完成検査不正が発覚した後も続いていたことだ。
「かかる不正事案は、特に、昨年9月末に判明した完成検査問題の再発防止に取り組む中、ごく最近まで続いていた点において、問題の深刻さを示すものであり、極めて遺憾」と石井啓一国交相はコメントし、自動車局長名で1か月をめどに新規判明事案についての徹底調査と、他の完成検査の不適切事案がないかどうかについても点検し、1ヶ月をめどに再発防止策を報告するよう日産に対して指示した。
緊急会見を行った同社・山内康裕CCO(チーフ コンペティティブオフィサー)は「社内管理基準は法規制値よりも厳しい。再検証を実施した結果、GT-Rを除くすべての車両で(燃費・排出ガス共に)諸元値(カタログ公表値)を確保できている」とした。また、税制上の優遇措置を得られる水準にあり「リコールの必要はないと考えている」と話した。GT-Rについては生産台数が極めて少ないため、再検証の対象を全生産車に拡げて実施中だ。
同社は問題の原因や、問題行為に至った背景を含めて、西村あさひ法律事務所に調査を依頼した。(中島みなみ)