日産自動車で新たな完成検査問題が浮上した。工場出荷直前に行われる燃費・排出ガスの抜取検査で、法令が定める検査環境を保たないまま実施したり、検査データを書き換えるなどの検査不正があった。
同社は昨年9月、無資格者による完成検査を実施して問題となり、その後に行った原因究明と再発防止を盛り込んだ報告を、今年3月に国土交通省に提出。同様の問題を公表したスバルとは一線を画した状況にあると思われたが、今回の内容は、遅れて問題を公表したスバルが完成検査ほとんど変わらない。
具体的には測定室の湿度を定められた範囲に維持しなかったり、定められた走行環境(JC08モード)を逸脱したまま測定し検査を終了させた。また、検査環境が良好であっても、測定データを規程内に書き換えられたりした。不正行為は日産自動車九州を除く、栃木、追浜、日産車体湘南、日産車体九州、オートワークス京都の全車両工場、「車名ベースで19車種」(ジャパンコミュニケーション部)に及ぶ。検査対象となった2187台の検査対象台数のうち、延べ1603台で不適切な検査が行われていた。人気車種のノート、マーチから商用車に至るまで幅広く蔓延していた。