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2021年3月17日【経済・社会】

欧州の21年1月の新車販売台数、1982年以降で最低

NEXT MOBILITY編集部

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JATO Japan Limitedは3月17日、欧州の自動車市場についての最新レポートを公開した。

 

2020年に引き続き、2021年もこれまでのところ、それほど楽な年ではない
欧州27カ国のデータによると、2021年1月の新車販売台数は839,525台で、2020年の同月と比較して26%減少しており、1月度としては1982年以降で最低の結果となっている。JATO DynamicsのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「政府や自動車会社がピュアEV(BEV)の販売台数を増やす努力をしているにもかかわらず、世界的な感染拡大や地域のロックダウンの影響を相殺するには十分ではなかった」と述べている。

 

 

自動車ディーラーもまた、新型コロナウイルスの悪影響を感じ続けている。ドイツやスペインなどの主要国では、販売台数がそれぞれ32%と52%減少した。当月は、2021年末まで顧客が享受することのできた税制優遇措置が無くなったため、12月の成功には及ばなかった。Munozは「1月1日から税金が変更されることを知った消費者は、先駆けて12月に新車を購入した」と続けた。

 

全体的にマイナスの傾向にあるにもかかわらず、いくつか例外があった。スウェーデンでは、2020年1月と比較して台数が23%増加した。これは、2020年1月1日に導入した、スウェーデンのボーナス・マルス制度が変更されたためで、高排出ガス車に有利な課税を利用するために、2019年12月は販売台数が大きく増えていた。ノルウェーでは、消費者が再びショールームに足を運ぶことができるようになったことで販売台数が8%増加し、手厚い報奨金にも後押しされ電動車の需要増も続いた。

 

 

 

SUVの成功

SUVは当月、新車販売全体の44%を占め、過去最高のマーケットシェアを記録して新しい年が始まった。Munozは「SUVの需要は停滞の兆しがなく、欧州でも米国や中国と同様の成長パターンを示している。SUVの高額な価格と排出ガス量を考えると、この結果は特に注目に値する」と述べた。SUVの総販売台数は368,100台で、2020年1月と比較してわずか18%の減少となった。

 

スモールSUVが18%の販売減となりながらも、SUV全体の36%を獲得している。コンパクトSUVが需要の大半を占める一方で、177,500台となり、こちらも18%減となった。SUVの販売台数の15%を占めたのはミッドサイズSUVとラージ/ラグジュアリーSUVで、20%減の56,800台であった。ブランド別では、フォルクスワーゲン、プジョー、BMWが上位を占めたが、4位のフォードが最もシェアを伸ばしている。

 

 

 

ボルボが、最もマーケットシェアを拡大

メーカー別では、SUVとミッドサイズセグメントの需要が増加したことを受けて、ボルボが最もシェアを伸ばした。ボルボ XC40は当月、欧州で最も売れたプレミアムカーとなり、販売台数は58%増の10,590台であった。反対にフォルクスワーゲングループは、2020年に欧州で最も売れたモデルであるゴルフが、ドイツ市場で販売が好調であったため、0.9%ポイントの下落で済んだ。

 

 

また、当月はモデルランキング全体で顕著な変動が見られた。ゴルフは順位を3つ下げ、トヨタ ヤリス、プジョー 208、ダチア サンデロ(Dacia Sandero)に次ぐ4位であった。プジョー 2008がSUVランキングの首位に立ち、競合車であるフォルクスワーゲン T-Rocとルノー キャプチャーがそれぞれ7%と2%販売を落としたのとは対照的に、87%の大幅な上昇を記録した。

 

その他、販売台数を大きく伸ばしたのは以下のモデルである:フォード プーマ(Puma)が72%増、フォード クーガ(Kuga)が258%増、BMW X3とキア ニロ(Kia Niro)がそれぞれ12%増、メルセデス GLAが18%増、スズキ イグニスが25%増、スマート フォーツーが208%増、ポルシェ マカンが23%増。

 

 

最近発売されたモデルで好調な結果を残したのは:メルセデス GLBが3,802台、フォルクスワーゲン ID.3が2,909台、クプラ フォーメンター(Cupra Formentor)が2,826台、シトロエン C4が2,491台、BMW 2シリーズ グランクーペが2,409台、ポールスター(Polestar) 2が1,290台、ポルシェ タイカンが1,017台、トヨタ プロエース シティ ヴァーソ(Proace City Verso)が915台、アウディ e-tronスポーツバックが908台、ランドローバー ディフェンダーが871台。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。